映画 ~ オーバー・フェンス ~




オーバー・フェンス
配給:東京テアトル
監督:山下敦弘(やました のぶひろ)
脚本:高田亮(たかだ りょう)
出演:オダギリジョー、蒼井優(あおい ゆう)
公開日:2016/9
ジャンル:ヒューマン






「オーバー・フェンス」は、妻に見離され故郷の函館へと戻ってきた男性が、徒然と過ごす生活の中で出会う様々な人たちとの交流を描いた作品です。

監督は愛知県出身、「リンダ リンダ リンダ」、「苦役列車」の山下敦弘さんです。

脚本は東京都出身、「銀の匙 Silver Spoon」や「そこのみにて光輝く」の高田亮さんです。

妻と別れ、独り函館で生活を送る男性役を岡山県出身、「アカルイミライ」や「スクラップ・ヘブン」といった数多くの映画・テレビドラマの出演されているオダギリジョーさんが演じています。

主人公と出会う風変わりなホステス役を福岡県出身、「百万円と苦虫女」や「害虫」、「彼女がその名を知らない鳥たち」といった数多くの映画・テレビドラマの出演暦を持つ蒼井優さんが演じています。

他にも、松田翔太さん、満島真之介さん、北村有起哉さんといった方々が出演されています。

小説「そこのみにて光輝く」や「きみの鳥はうたえる」の佐藤泰志さんの小説が原作となっています。

本作品の舞台は原作者の出身地である函館となっています。



あらすじ


函館職業技術訓練校の一室で談笑している訓練生たち、そこには様々な年齢の人たちが集まっています。年金をもらってもいい年齢の年長者の勝間田(鈴木常吉)、家族もちの原(北村有起哉)、若手の代島(松田翔太)や島田(松澤匠)、要領が悪い森(満島真之介)、そして、左手に結婚指輪をしながら独り暮らしをしている白岩(オダギリジョー)です。

白岩は東京の建設会社で働いていましたが、トラブルから妻に距離をおかれることとなり、故郷の函館に戻ってきて、失業保険で暮らしています。

訓練校では大工の技能を教わっています。また、授業の一環でソフトボールの練習をします。

ある日、から揚げ弁当と缶ビール2本を購入した白岩は、店の外の道路で男女がもめている様子を目にします。愛情表現の話をしていたかと思うと、そこにいた女は突然、ダチョウのほうがもっと愛情表現をすると言って、突然ダチョウの真似をしだします。白岩はその女が印象に残ります。

別の日、白岩は代島に誘われてホステスのいる街のバーに行くことになります。過去に営業をしていたという代島は白岩に商売の話を持ちかけてきました。そのとき、白岩は別の席で騒がしくしているホステスが目に留まります。それは、この間道路で痴話喧嘩をしていた女でした。

女は代島の知り合いで、聡(さとし/蒼井優)と名乗ります__



感想

逝去されてから数多くの作品が映画化されている佐藤泰志さん小説の映像化のひとつです。

登場人物の微妙な距離感のやり取りがクセになります。見栄や建前といっためんどくさい部分と、心が変われば運命も変わるという部分がバランスよく描かれているように思います。

主演がオダギリジョーさんでよかったなと思います。蒼井優さんも凄かったのですが、躁鬱キャラがメインをはる場合は、主人公目線で描かれなければ共感を得られにくい印象があります。

佐藤泰志さんの映画化作品はどれも好みなのですが、1つ選べと言われても選べないのが長所でもあり、短所でもあるように思います。


お前は
自分がぶっ壊れてるって言ってたけど

俺は
ぶっ壊すほうだから

お前よりひどいよな




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