こはく
配給:SDP
監督:横尾初喜(よこお はつき)
脚本:守口悠介(もりぐち ゆうすけ)
出演:井浦新(いうら あらた)、大橋彰(おおはし あきら)
公開日:2019/6
ジャンル:ドラマ
「こはく」は長崎を舞台に幼少期に父親が失踪した兄弟を描く物語です。弟には妻がいて、新しい命を授かろうとしています。そのタイミングで、兄から偶然に父親を見かけたと告げられます。
監督は長崎県出身の横尾初喜さんです。他の監督作品に、映画「ゆらり」やドラマ「ぼくは麻理のなか」等があります。
脚本は神奈川県出身で、映画「名前」等の脚本作品を持つ、守口悠介さんです。
主人公の弟役を東京都出身、映画「赤い雪 Red Snow」や「光」に出演されている井浦新さんが演じています。
兄役を埼玉県出身、アキラ100%の名義でお笑い芸人としても活躍されている大橋彰さんが演じています。
その他、 遠藤久美子さんや嶋田久作さん、鶴田真由さんといった方々が出演されています。
あらすじ
幼少期に父親が失踪し、戻ってくるという言葉を信じ待っていた二人の兄弟、兄(大橋彰)と弟の亮太(井浦新)はそのまま大人になりました。
亮太にはユリエという妻(遠藤久美子)がいます。そのユリエが最近妊娠しました。ユリエは離婚暦のある亮太に対して、この子が生まれたら前の家族にも会ってみたらと提案しています。亮太にはカイトという子供がいます。
幼少期から父親の記憶がない亮太、そして、離婚暦がある亮太には、新しい命を授かったことに若干の不安を覚えているように見えます。亮太に父親がいなかったことからカイトたちも大丈夫だろうと思うようにしています。
亮太は父親の事業を引き継ぎガラス細工の会社を経営しています。父の代では資金繰りに苦労していたようですが、亮太はうまくやっているようです。
亮太は路面電車で帰宅しています。出産の予定日は4月25日です。夜、寝室でお腹の子のことで会話していると亮太の携帯に着信が入ります。兄からの食事の誘いでした。
翌日、実家に向かう亮太、母親(木内みどり)と兄が出迎え、3人で家の掃除を始めます。亮太は兄のおもちゃを捨てようとしますが、兄にとって思い出深いものなのか、強く制止されます。
兄は職探し中です。兄は絶対に迎えに来ると言っていたのにそのまま失踪した父親を恨んでいます。急に父親のことを語りだす兄に対してどうしたと尋ねる亮太、失踪した父親を見かけたと、兄は亮太に告げます__
感想
長崎を舞台にして家族に焦点をあてた作品です。自身が父親となるタイミングで失踪した父親を探すのかと思いきや、すでに離婚した妻の間に子供がいて、再婚した妻が妊娠したタイミングというのは少し斬新な気がしました。
本作品と同じ守口悠介さん脚本作品の「名前」でも嘘をつくメインキャラクターがいました。ただし、「名前」での津田寛治さんが演じるキャラクターは口達者で世渡り上手な印象でしたが、本作品の兄はまるで胡散臭く、あの年齢であれはないだろうと、私には合わないキャラクターでした。
母親が失踪した父親に対して葛藤している様子はよかったです。ただし、息子に見せる態度まで頑なすぎるのはどうかと感じました。
物語の展開は決して起伏が大きいものではありません。個人的には無理やりな展開を見せられるよりはずっと好印象なのですが、特筆する展開がないのでどうしても印象は薄くなってしまいます。
暴力団員役の嶋田久作さんが僅かな登場ながら抜群に印象に残りました。
親なんか
しっとろうが なんやろうが
関係なかやろう
あんたの半分
親父でできとっと
そいでよかやろうが
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