映画 ~ さよならくちびる ~




さよならくちびる
配給:ギャガ
監督:塩田明彦(しおた あきひこ)
脚本:塩田明彦
出演:小松菜奈(こまつ なな)、門脇麦(かどわき むぎ)
公開日:2019/5
ジャンル:ドラマ





「さよならくちびる」は解散を意識する女性デュオと男性ローディーのラストツアーを追う映画です。

監督・脚本は京都府出身で、「どろろ」や「害虫」、「黄泉がえり」の塩田明彦さんです。

女性デュオ“ハルレオ”の作詞・作曲を担当するハル役を、アメリカ出身で映画「愛の渦」や「オオカミ少女と黒王子」、テレビドラマ「まれ」等、数多くの作品に出演されている門脇麦さんが演じています。

ハルに誘われて“ハルレオ”で音楽活動をするレオ役を、山梨県出身で映画「渇き。」や「溺れるナイフ」に出演されている小松菜奈さんが演じています。

“ハルレオ”をサポートするローディのシマ役を、埼玉県出身で映画「チワワちゃん」や「愛がなんだ」に出演されている成田凌さんが演じています。

ツアー中に歌われる3曲はすべて“ハルレオ”が歌唱しています。主題歌「さよならくちびる」は秦基博さん、「誰にだって訳がある」と「たちまち嵐」をあいみょんさんが提供しています。



あらすじ


ギターケースを片手に抱えた女と、彼女が放り投げた荷物を運ぶ男、少し距離をあけて歩く2人が向かった先には黒いジープのラングラー車、その後部座席には車内で食事をしている女がいます。

彼女らは女性デュオ“ハルレオ”のハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)、そして彼女たちをサポートするローディのシマ(成田凌)です。

シマが運転席に、ハルが助手席に乗り込みます。ハルがタバコをふかして、シマに言います、“そこの馬鹿女に車内飲食禁止のルールを思い出させて”と、後部座席からレオが言います、“車内禁煙ルールもね”と。シマは言います、“解散の決心は変わらないんだな”と。

シマはこのツアーだけは最後までやりきることを約束して欲しいと伝えます。全国7都市を回って、最後の函館で解散、そこで歌い終わった時点で3人は赤の他人となる、それが約束です。

3人の関係性はすでにこじれています。移動中の車内は会話もありません。途中立ち寄った、セルフスタンドではレオがそこにいた男にナンパされてどこかへ行ってしまう有様です。

2018年7月14日、浜松の「LAKD SIDE STORY」、21時15分、ハルレオの出番ですが、レオが戻ってきていません。早くしろとの野次が大勢の観衆の一部から飛びます。

少し遅れてレオが到着します。注意しようとするシマに対して、レオは今日が何の日かくらい覚えているよ、と答えていなします。レオの右目の下には傷がありました。男がしつこく、無理やり戻ってこようとして暴力を振るわれたようです。

ハルはそんな男にひっかかることが多いレオに少し呆れながらも、傷を隠すように伝え、ステージにあがります。

ステージ上ではレオが最初のMCを務めました。ハルレオにとって浜松は思い出深い場所です。最初のツアーで1番最初に来た場所が浜松でした。


ライブ終了後、帰りの車中、ハルはレオから渡された小包を開けます。そこにはレオからのプレゼントが入っていました。

この日は、2人が働いていたアルバイトで、ハルがレオに初めて声をかけた日でした__



感想


音楽映画でもあり、ロードムービーでもあり、バディ作品でもあり、恋愛ものでもある作品です。

繰り返し耳に入ってくる主役2人の歌が心地よかったです。また、成田凌さんが演じるシマも頼れる存在でした。「チワワちゃん」や「愛がなんだ」と、たて続けに青春モラトリアム作品に出演されている成田さんですが、本作品のキャラクターが1番格好いいです。

冒頭に述べているように様々な要素を含んでいる作品のため、曖昧な部分が多い作品です。結局、音楽とどう向き合っていくのかのはフワフワです。ロードムービーとしても訪ねる場所が7箇所あるため、その場所特有の雰囲気や出会い、出来事に深みはなく、あまりどこで何があったか印象に残っていません。

ただ、その淡々とした流れ、柔らかな余韻、全体的な雰囲気が個人的に好きです。

悪いほうで気になったのはレオの行動です。仮にレオが天邪鬼な性格だったとしても、中盤以降明かになるレオの想いと、序盤のレオの行動が個人的には不釣合いな気がします。観客目線でどちらが人気があるのかはわかりませんが、ハルとレオのバランスが悪くなってしまっている印象です。









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