チワワちゃん
配給:KADOKAWA
監督:二宮健(にのみや けん)
脚本:二宮健
出演:門脇麦(かどわき むぎ)、吉田志織(よしだ しおり)
公開日:2019/1
ジャンル:青春
「チワワちゃん」は仲間と馬鹿騒ぎして青春を謳歌する若者たちの、刹那的で希薄で大切で尊い日々の残影を振り返る作品です。
監督と脚本は大阪府出身で、「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ」や「疑惑とダンス」等の作品を手がけている二宮健さんです。
チワワちゃんのことを振り返る主人公役を、アメリカ出身で映画「愛の渦」や「オオカミ少女と黒王子」、テレビドラマ「まれ」等、数多くの作品に出演されている門脇麦さんが演じています。
仲間内で注目を集めるチワワちゃん役を、北海道出身で映画「心が叫びたがってるんだ。」やテレビドラマ「クズの本懐」等の作品に出演されている吉田志織さんが演じています。
他にも、成田凌さん、寛一郎さん、玉城ティナさん、村上虹郎さんといった方に加えて、栗山千明さんと浅野忠信さんが出演されています。
原作は「リバーズ・エッジ」や「ヘルタースケルター」等、数多くの漫画を世に送り出している岡崎京子さんの短編漫画です。
本作品の主題歌「僕らの時代」をHave a Nice Day!さんが担当されています。
あらすじ
年の瀬にバラバラ殺人事件が発生します。被害者の名前は千脇良子(ちわきよしこ/チワワちゃん/吉田志織)、年齢は二十歳、職業は看護学生です。ミキ(門脇麦)はそのときになって初めてチワワちゃんの本名すら知らなかったことに気づきます。
テレビのコメンテーターは好き放題に述べています。チワワちゃんの両親や高校時代の友人がインタビューに対応しています。ミホはスマホでチワワちゃんの写真を眺めています。
ミホはその後、雑誌「アクセルブックス」の編集部に勤める鈴木裕子(栗山千明)からチワワちゃんに関する取材を受けることになります。そこで、チワワちゃんとの思い出、そして、他の仲間がチワワちゃんのことをどう思っていたのかを、ミホは追いかけます。
ミホはカツオくん(寛一郎)に渋谷でナンパされました。ナガイくん(村上虹郎)が映像作品を作るからというのが口実です。
クラブ「Sedgwick」で仲間たちと盛り上がっているところにチワワちゃんもいました。それから、チワワちゃんと仲間とキスしたり、SEXしたり、恋したりしていました。
ミホは当初、何となくヨシダくん(成田凌)のことが気になっていました。しかし、ヨシダくんの彼女になったのはチワワちゃんでした。
ミホはたまにナガイくんとスタジオで撮影をしていました。あるとき、人生の哲学を話題にしたとき、ナガイくんから“ミキにとって大人になるって何?”と尋ねられます。
ある日、クラブ「Sedgwick」で仲間たちと夏休みに行きたいところを話していると、サービスだと皆にドリンクを渡しながら、マスターのシマさん(成河)が近づいてきます。そして、VIP席にいる客のバッグには600万円が入っていると伝えてきます。建設関係の人たちで政治家に届ける途中だということです。
仲間内に緊張が走ります。そして、煽られたチワワちゃんがVIP席に近づき、バッグをひったくってそのまま店外が逃走します。VIP席の客も、そして、ミホを含む仲間たちも慌てて追いかけます。
バッグを仲間内で回しながら、結局、チワワちゃんとミホの二人が合流します。線路高架下、壁にあるグラフィティアートを眺めながら、300万円をそれぞれのバッグに分け合います。疲れて座り込む二人、チワワが頭をミホの肩にのせてきます。
翌日、600万円を資金に、仲間たちと豪遊する日々が始まります__
感想
青春モラトリアムに焦点を当てた作品だと感じました。そして、そういった類の作品は白黒のモノトーンや、寒色系のイメージを個人的に抱きがちなのですが、本作品はいわゆるパーリーピーポー、陽キャラに分類される仲間たちを主役に色鮮やかに描いている点が目を惹きます。
挿入歌であるPale Wavesさんの「TELEVISON ROMANCE」をBGMにチワワちゃんを中心に皆が一緒に踊り、一部の人物が距離を置いてその様子を眺めるシーンだったり、チワワちゃんとカメラマンの空想のやり取りを描いた演出だったり、好みが分かれる部分だと思いますが、この作品にはあっているように思いました。
俯瞰的な主人公と、想像力しだいで複数の解釈が可能なチワワちゃんの関係がよかったです。疲れる、消耗すると述べる場面があるチワワちゃんは、快活な部分と危うい部分の両面が感じられました。ヨシダくんのクズっぷり(褒めています)と、カツオくんとナガイくんの安心する感じ、男性陣が好印象でした。女性陣は皆スタイルがいいなぁ~という印象です。
なお、チワワちゃんは死ぬときには、白いライラックかアジサイに包まれたいということでした。白いライラックの花言葉は「青春の喜び」、アジサイの花言葉は「移り気」です。
私 思うんだけどね
こんなに楽しい時間を一緒に過ごせて
私たちって これからも
ずっーと会い続けるんだろうな って 思ったときが
きっともう会わなくなるサインなんだよ
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