映画 ~ 愛がなんだ ~




愛がなんだ(あいがなんだ)
配給:エレファントハウス
監督:今泉力哉(いまいずみ りきや)
脚本:今泉力哉、澤井香織(さわい かおり)
出演:岸井ゆきの(きしい ゆきの)、成田凌(なりた りょう)
公開日:2019/4
ジャンル:恋愛





「愛がなんだ」は片想いの相手を世界の中心にする社会人女性のもどかしげな恋愛模様を描いた作品です。

監督は福島県出身で、「鬼灯さん家のアネキ」や「パンとバスと2度目のハツコイ」の今泉力哉さんです。

脚本は今泉力哉さんと、東京都出身で、映画「ラッシュライフ」や「シェル・コレクター」の脚本を務めた澤井香織さんの共同脚本です。

片想い相手に献身的な主人公役を、神奈川県出身でテレビドラマ「まんぷく」や映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」等に出演されている岸井ゆきのさんが演じています。

片想いの相手役を、埼玉県出身で映画「チワワちゃん」や「スマホを落としただけなのに」に出演されている成田凌さんが演じています。

他にも、深川麻衣さん、若葉竜也さん、江口のりこ さんといった方が出演されています。



あらすじ


着信を受けて電話にでると、山田さん?の声、風邪をひいたかもしれない、会社にいるなら何か買ってきてくれないかとお願いされ、すでに帰宅していた山田テルコ(岸井ゆきの)は喜んで部屋を飛び出します。

テルコは片想いをしています。その相手、田中守(成田凌)の住んでいるアパートに着いたテルコはすぐにご飯を作るねと言って、買い物袋から卵やにんじん、ねぎ、しいたけ、さらにはカビハイターやバスマジックリンを取り出します。テルコは守のことをマモチャンと呼びます。

守にうどんを作ってあげたテルコはそれから部屋の掃除を始めます。守はその様子を見て、そろそろ帰ってくれないかと半強制的に彼女を部屋から追い出します。


帰りの夜道、缶ビールを片手にとぼとぼと歩くテルコ、昔は“テルチャン”と呼ばれていたのに、いつの間にか呼ばれなくなったことを寂しがります。

テルコはビールを手土産に友達のヨウコ(深川麻衣)の家に向かいます。ヨウコは母親と住んでいて、カメラアシスタントをしているナカハラ(若葉竜也)というよくわからない関係の男がいます。

タクシーでヨウコの家に到着したテルコ、玄関でナカハラが迎えてくれたと思ったら、ナカハラはそのまま帰ると立ち去っていきます。

ヨウコはテルコのことを心配しています。テルコはヨウコの母親が作った筑前煮をおいしそうに食べていて、特に気にしていないようにも見えます。


テルコと田中守との出会いはとあるパーティの場でした。その場に馴染めない二人は似たもの同士の親近感から会話を交わすようになります。手がきれいだなと思ったのが、守に対して抱いたテルコの第一印象でした。


テルコは働いていますが、デスクで忙しなく電話する同僚の隣でボーっとすることがあります。上司からミスが多いと指摘されますが、その間も机の下ではスマホを確認する有様です。

金曜日は守から連絡が来るはずとテルコは期待しています。しかし、会社に残って連絡を待てども、守から連絡が来ません__



感想


すれ違ったり、通じ合ったりする人たちを描いた恋愛映画です。軽口を叩けたり、図々しいお願いができたりする距離感は心地よく、都合の良い関係で辟易したりします。

等身大に感じる登場人物の曖昧さが好きです。献身的な主人公は一途な想いのために時間や仕事を犠牲にしてしまうことがあります。それを本人は犠牲とは一切思っていないような、かと思えば、見返りをどこか期待しているような、いや、やっぱり近くにいれればいいと思えるような、これは一例ですが、0か1ではない価値観の差異、感情の移ろいが好みでした。

主人公に限らず、登場人物それぞれにいいところ悪いところがあることが魅力的です。主人公とナカハラくんのやり取りが特に好きでした。また、動物園のシーンでの主人公を演じる岸井ゆきのさんの横顔が惹きこまれるなと思いました。








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