公演:アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院×人狼TLPT 人狼TLPT S「未来への十字架 II」
原案:尾花沢軒栄(acus)
脚本・演出:桜木さやか(ルドビコ★)
総合演出:永石匠
監修:林修司(ルドビコ★/dopeⒶdope)
人狼TLPT企画:桜庭未那(ORACLE KNIGHTS)
人狼TLPT構成:属結司(ORACLE KNIGHTS)
ゲーム指導:児玉健(人狼ルーム)
公演期間:2019年2月8日 (金) ~2019年2月17日 (日)
公演会場:萬劇場
昨年2月に開催されたアサルトリリィ×私立ルドビコ女学院×TLPTのコラボ企画である舞台「人狼TLPT S『未来への十字架』(そのときの記事 → (1) 、(2) )、昨年9月に公演された本編シリーズ「白きレジスタンス~約束の行方~」(そのときの記事 →)に引き続き、人狼TLPT S「未来への十字架 II」を観劇してきました。
※若干のネタバレ有、個人的感想強め、記憶があやふな部分がある点をご了承願います。
概要
『アサルトリリィ』
アゾンインターナショナル×acus(アクス)の送る1/12アクションドールコンテンツです。
近未来という舞台設定、出演者が装備している武器「CHARM」や「リリィ」の設定は本作品の世界観によるものです。
『私立ルドビコ女学院』
2004年に旗揚げされた「聖ルドビコ学園」をベースとした学園型演劇集団です。
登場人物を女子高生とシスターに限定し、女性のみのキャストでより深く世界観を構築するとのことです(前回は神父が出演していた気がしましたが、冷静に思い返すとあれは幕間でした)。
「アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院」のコラボ作品は過去4公演ありました。
・Vol.1 『シュベスターの祈り』 2016年4月16日 (土) ~2016年4月24日 (日)
・Vol.2 『シュベスターの秘密』 2016年9月16日 (金) ~2016年9月25日 (日)
・Vol.3 『シュベスターの誓い』 2017年3月1日 (水) ~2017年3月5日 (日)
・Vol.4 『白きレジスタンス~約束の行方~』 2018年9月21日 (金) ~2018年9月27日 (木)
更に、「アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院×人狼TLPT」のコラボ作品として昨年の2月に公演がありました。
・人狼TLPT S『未来への十字架』 2018年2月7日 (水) ~2018年2月12日 (月・祝)
今回の舞台の出演者は以下となっています。(※敬称略、役名 学年 / 演者)
鈴内・レア・里佳子 3年 / 池内理紗
海堂・キーラ・千秋 3年 / 内多優
江原・ヨハンナ・結乃 2年 / 梅原サエリ
栗山・コレッタ・綾菜 2年 / 大滝紗緒里
神楽坂・タチアナ・琴子 2年 / 神村風子(SIR)
佐伯・ジュリア・花蓮 1年 / 小菅怜衣
清水・ベルナデッタ・日和 2年 / 桜井理衣
寺崎・ジータ・玲央奈 1年 / 佐藤望美
渡瀬・オリーブ・小百合 2年 / 佐野礼奈(SIR)
茜・マルガリータ・理紬(りづむ) 2年 / 七海とろろ(バクステ外神田一丁目)
近藤・パウラ・夏希 1年 / 白木悠吏阿
高取・ナタリー・永遠 3年 / 手島沙樹
矢崎・ロジーナ・真弓 3年 / 東城咲耶子
佐野・マチルダ・こころ 2年 / 藤堂光結
辻浦・プリスカ・美々 1年 / 仲野りおん
長谷川・ガブリエラ・つぐみ 1年 / 長橋有沙
福山・ジャンヌ・幸恵 2年 / 中村裕香里
宇佐美・キンバリー・瑠衣 3年 / はぎのりな
宝城・モニカ・朝妃 1年 / 広沢麻衣(エラバレシ)
水川・キャロル・花(はんな) 3年 / 前枝野乃加
島・イレーヌ・真白 2年 / 水月桃子
的場・シビル・木葉(このは) 1年 / 水萌みず
富士野・テオドラ・美都(みと) 3年 /結城美優
【ナビゲーター】
小阪・アナスタシア・涼子 / 木村若菜
ストーリー等の補足(+一部感想)
後で見返したときのための簡単な補足情報や舞台での出来事です。
・今回は3stを観劇しました。
・開演15分前から始まる前説は木村若菜さんが演じる小阪・アナスタシア・涼子教導官と、さわだ・フィリウス・きょうか教導官?が務めます。
小阪教導官の相方は日替わりナビゲータとしてステージごとに一部の出演者さんが交代で担当します。
3stは、はぎのりなさんが担当されていました。
・最初の自己紹介でいきなり「小阪アナスタシア~」と間違える少しドジなさわだ教導官
・通路に荷物を置かない、足を投げ出さないの注意喚起アナウンスで、具体的に通路とはどこの部分かを客に見せて説明するために移動した際、軽い段差につまづいてしまう少しドジなさわだ教導官
・昨年いらっしゃったクリス神父は残念ながら不在でした。
・恒例?の写真くじ、今回は30回分購入しました。当たりは5枚でした。
・今回の写真くじは人狼ゲームの役職がコンセプトにあるようです。ケモミミの人狼か、チャームを所持している狂陣が個人的に当たりな気がします。しかし、狂陣をチャーム持ちの設定にしていたり、真役職も背景が黒かったり、ちょっとした闇を感じてしまいます。
(本編)
・テンプルレギオン選抜のための戦闘訓練から物語が始まります。
・「白きレジスタンス」のアイアンサイドが結成されている後の話のようです。
・学園主導のテンプルレギオン選抜試験ということで、アイアンサイドの幸恵や永遠が参加することに疑問を抱くかもしれませんが、そこの説明もされています。
・アクションシーンにはノインベルト戦術の場面もあります。私が観劇したステージでは、理紬が先頭で始まり、最後が朝妃から幸恵へと繋がれていきました。
今回は来夢や聖恋といったメインキャラクターが不在ではありますが、昨年では想像しなかった流れだなと思います。
・三次試験からの最終試験、その試験内容が「人狼ゲーム」であることが説明されます。
・OPは「シュベスターの秘密」でした。つーらーぬーけー♪
・どこまでメインキャラクター不在の影響があるかはわかりませんが、Aサビ時のセンターは理紬でした。Bサビ、Cサビのセンターはさすがの幸恵でした。後にわかったことですが、Cサビあたりの前方の立ち位置が理紬と幸恵と朝妃であり、その三人が今回の人狼メンバーという偶然回でした。
出演者さんは開演15分前に役職のカードをひいているようですが、ゲーム開始前の物語やダンス中に人狼の仲間同士は意識したりしているのか疑問です。
・前回はなかったのですが、各キャラ毎にカラーが異なる腕章が用意されていました。これは観劇する側にも親切でした。それでも開始前半シーンで名前を挙げるやり取りは混乱することがありました。
・人狼ゲーム開始、センター位置は幸恵、幸恵から順番に自己紹介、小百合の三重の方言っぽいしゃべり方がかわいかったこと、理紬が想定以上に騒がしかったことと、夏希がとても緊張しているように見えたこと、琴子が去年の乙女並みにキャラが濃かったことが印象に残っています。
・人狼を追い詰めようとグループ分けを提案したのは朝妃で、その内容が「あなたの前に突然ヒュージがあらわれました。そのヒュージはラージ級ですか?スモール級ですか?」という心理テストのような内容でした。
・スモール級を選択したのは花とつぐみの二人だけという惨状、さらに永遠から花に対して「3年生にもかかわらずスモール級を選択するのはどうなのか」という鋭いツッコミが入ります。
それに対して開始時から隣の理紬がうるさいことを主張していた花は、「理紬がラージ級に移動するのを察知した瞬間、スモール級のほうに移動した」と回答していておもしろかったです。
TLPTに何度も出演されている方々はゲームの盤面以外でも、舞台を楽しく魅せてくれるやり取りが多くてすごいと感じます。
・予言者COに琴子(お告げ:花)と日和(狂陣:白先 朝妃)、霊媒師COに理紬(人狼)、美々の進行でした。
・初日投票が分散しそうだったため、少しでも情報を出そうとした琴子にとても共感できたため、真予言者目線で見ていましたが、日和も占い先が本物のように見えて混乱しました。
・美々も理紬以上のパッションを発揮して対抗していたのが素敵でした。
・初日3票で決選投票に挙がったのが綾菜と永遠でした。綾菜は狩人だったのですが、弁明時の役職を持っていないという主張がとても堂々としているのがすごく、結果的に終盤まで人狼からも襲撃されていませんでした。
永遠の推理をもっと聞きたかったため、早々と処刑されてしまったのが残念でした。
・小阪ナイトではサワダ教導官による、いかに永遠が優しいかの説明、永遠は優しい
・ゲーム中も小阪ナイト中も、つぐみ関連でワチャワチャになりそうになったら「ブレイブ」の言葉により場が落ち着くようです。ブレイブ万能説
・結果としては人狼3人、狂陣1人残っての完勝という形、人狼陣営が強かったです。
・最終日も早々に人狼サイドがPP宣言したにもかかわらず、時間が足りないんじゃないかと思わせるドラマを演じる出演者の存在はこの舞台の魅力だと思います。
・上記の幸恵と花のとてもいいシーンの最中に、こっそり移動しようとして椅子につまづいて音を立ててしまう理紬、きっと静かにできない星のもとにいるのだろうと驚嘆します。
・テンプルレギオンは真役職を投票で処刑した日和と理紬の人狼陣営でCOした二人でした。
・幸恵は議論の要所要所で村をまとめられるし、朝妃も話の少ない人から意見を求めようとする人狼を見つけようとする村人のような言動を見せるし、潜伏人狼も強かったと思います。朝妃は人狼
・個人的に人間陣営では夏希が良かったと思いました。村陣営からは人狼ではないという意見を複数もらい、2日目の占い師への投票、3日目の霊媒師への投票と偽者に投票し続けていました。
真弓も2日目、3日目と偽者に投票しており、投票順が遅いという理由で疑われていたのが少し不憫でした。疑われるのは仕方ないのですが、他の人の投票を見ながら村人として自分の意見をまとめる姿勢はとても共感してしまいます。
・正解は5人、パーフェクトは1人でした。
・今回は念願の正解バッジを入手できました。永遠が幸恵を怪しいといったこと、小阪ナイトで永遠が人間だとわかっていたことがとても大きかったです。永遠は優しい
・狩人がかすりもしなかったためパーフェクトは無理ゲーだなと思いました。当てた1人にぜひご教授いただきたいです。
私はつぐみを狩人として無事に玉砕しました。どうも困ったときにはつぐみを頼る傾向がある気がします。ブレイブ
第二候補は、人狼のSG候補として投票をあえて遅くしている可能性を考えた真弓だったので、どちらにせよ無理だったのですが……、綾菜がすごかったです。
・EDはお決まりのリリィデイズ、今回はソロパート少な目の印象でした。いい歌、いいダンスなのは変わりません。
感想
昨年に引き続きアクション有、ダンス有、そして人狼ゲーム有、ステージ毎に出演者が異なるという舞台、今回もとても楽しめました。各出演者も本当に魅力的で、名前の一致に苦労したのは冒頭だけで、中盤以降はゲーム展開を楽しめるだけでなく、各キャラクターの台詞や性格、出演者間のやり取りもとても楽しめました。今回のステージで出演しなかった出演者がどんなキャラクターを演じていたのかも気になります。
今回は観劇が1ステージのみだったのが悔やまれます。たった1度の物語を謳っているのは決して大げさではなく、人狼ゲームは毎回異なる展開を楽しめ、ゲーム以外にも1回目には気づかなかった細かい部分に2回目で気づいたり、ステージ毎に異なるであろうと推測される立ち位置や関係性の違いを楽しめたりすると思います。
上記は裏を返せば、そのまま出演者の負担の大きさを物語っていることになると思います。しかし、この作品は単純に各出演者がそれらをクリアしているから魅力的というだけではなく、その前提を超えて、相手のことを考え、思いやりながらのアドリブを次から次へと展開していくこと、それが劇場全体に伝わっていくように感じられることが大きな魅力であると思います。
ということで、TLPTとのコラボ作品が今後もあればいいなと期待しながら、次は本編を楽しみにしておきたいと思います。
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