やわらかい生活(わらかいせいかつ)
監督:廣木隆一(ひろき りゅういち)
脚本:荒井晴彦(あらい はるひこ)
出演:寺島しのぶ(てらじま しのぶ)
公開日:2006/6
ジャンル:ヒューマン
「やわらかい生活」は30代の躁鬱病を患う孤独な女性の日常を描いたヒューマン映画です。
監督は福島県出身、「余命1ヶ月の花嫁」、「オオカミ少女と黒王子」の廣木隆一さんです。
脚本は東京都出身、「幼な子われらに生まれ」、「共喰い」の荒井晴彦さんです。
主人公の女性役を京都府出生、東京都出身、「オー・ルーシー!」、「裏切りの街」の寺島しのぶ さんが演じています。
他に豊川悦司さん、松岡俊介さん、妻夫木聡さんといった方々が出演されています。
絲山秋子さんの小説「イッツ・オンリー・トーク」が原作です。
あらすじ
橘優子(たちばな ゆうこ/寺島しのぶ)は東京都の蒲田に暮らす30代の独身女性です。身近な人を阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件で亡くしたとかで躁鬱病を患っています。会社は退職し、親の保険金で生活しています。
優子は好きなことだけして生活したいと考えて今を生きています。粋がない下町風情を感じる蒲田を気に入っていて、カメラを手に街を散策し、写真を撮ってネット上にあげたりしています。
フラフラとしている優子ですが、出会いはそれなりにあります。インターネット掲示板で合意の痴漢を求めて知り合ったKさんと名乗る男(田口トモロヲ)、偶然再会した大学時代の知り合いで選挙活動中だった本間(松岡俊介)、優子のブログ記事にあったタイヤのゴジラが見たいとメールしてきたヤクザ(妻夫木聡)、地元から逃げてきた従兄弟(豊川悦司)、どこか欠けている者同士で日々の生活を埋めていきます__
感想
躁鬱病の30代独身女性の気ままな日常を描いた作品です。
小説が原作ですがタイトルを変更しています。夫や子ども、両親もいない、定職を持たない主人公は自分のために時間が利用でき、柔軟に行動が選択できます。一方で、周囲からの影響も受けやすい、形が変わりやすい一面も持っている印象であり、「やわらかい」というタイトルはよかったと思います。もっとも、話の展開はどこか「だるい」としたほうが適切な内容です。
そして、何人かの男性が登場しますが、結局、彼らには確固たる矜持や、捨てられない地盤といった「やわらかい」ものから距離を置くことを選んでいるのが印象的です。体の一部が硬くならない人物もいましたが、何とも皮肉な話になっていると思います。
最終盤の主人公と伯父の電話のシーンが気になりました。主人公にわざわざ説明台詞を述べさせるのであれば、伯父の音声を流せばいいのではと思ってしまいます。あのオウム返しのような電話のやり取りが、大切なシーンでやられたことに違和感を覚えてしまいます。
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