映画 ~ π ~




π(パイ)
原題:π(Pi)
監督:ダーレン・アロノフスキー(Darren Aronofsky)
脚本:ダーレン・アロノフスキー
出演:ショーン・ガレット(Sean Gullette)
公開日:1998/7(1999/7)
ジャンル:サスペンス、SF




「π」は、整数論を研究する内向的で天才肌の男性が、株式市場の法則を求める過程で発見したとある216桁の数字に取り付かれていく様子を描いたSFサスペンス映画です。

監督・脚本はアメリカ出身、「ブラック・スワン」や「マザー!」等のダーレン・アロノフスキーさんです。

勉学で優秀な成績を収めているが、日常生活が苦手な研究職の男性役をアメリカ出身、「レクイエム・フォー・ドリーム」の出演の他、監督や脚本家でもあるショーン・ガレットさんが演じています。

その他、主人公の恩師役としてマーク・マーゴリスさん、バーで出会う信心深い数学者役としてベン・シェンクマンさんといった方々が出演されています。

本作品は1999年にサンダンス映画祭でドラマ部門の監督賞を受賞しています。



あらすじ


マックス・コーエンは6歳のときに太陽を見すぎて医者にかかって以来、頭痛に悩まされるようになりました。数種類の薬を服用し、皮下注射を打って痛みを和らげています。

彼は数学の才能が秀でています。20歳で博士号を取得し、整数論を研究しています。近所の少女がおもしろがって、彼に3桁と3桁の掛け算を問いかけると、彼は即答して彼女を喜ばせます。

しかし、彼は基本的に人付き合いが苦手です。内向的で自身の研究に没頭することを好みます。

彼は独自の仮定を研究しています。その1、数学は万物の言語である。その2、すべての事象は数字に置き換えて理解できる。その3、それを数式化すれば一定の法則が導き出すことができる。その4、よってすべての事象は法則をもつことになる。

彼はその証拠に、伝染病や黒点、カリブーの増減が周期的に発生していることを訴えています。そして彼は株式市場にも法則があるはずだと研究を重ねています。彼の研究を狙った企業からの勧誘の電話もかかってきます。

ある日、彼は近所のバーでユダヤ人の数学者レニー(ベン・シェンクマン)と出会います。もともとの内向的な性格の彼、さらにレニーが興味の持てない宗教の話をしてくるため、当初はまともに相手していませんでした。

しかし、ある日、コンピューターがバグで吐き出した数値の羅列が彼の運命を変えます。その216桁の数値はレニーの話にも関連し、そして、彼の恩師のソル(マーク・マーゴリス)も過去に発見していた数値でした__



感想


数学の天才に非日常的な出来事が襲い掛かることから物語が展開するサスペンス作品です。1990年代後半の作品ですが、あえてモノトーンの映像となっています。それが原因でごちゃごちゃしていると感じるシーンもありましたが、テクノミュージックと合わせて、雰囲気よく観れました。

冒頭の主人公の仮定から好みに合う作品だと感じていました。しかし、肝となる数字が物語のキーアイテムとしては印象が薄い気がします。結局それがどう紐づいて活用されるかの描写が不足過ぎであると感じました。

どこか物足りないと感じてしまう作品です。計算能力に秀でた主人公が何かの事件に巻き込まれるSFサスペンス作品では、アダム・ファウアーさんの小説「数学的にありえない(IMPROBABLE)」のほうが面白いと感じました。また、同じ監督の作品では、「マザー!」のほうがインパクトが大きいです。












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