映画 ~ her/世界でひとつの彼女 ~




her/世界でひとつの彼女(はー/せかいでひとつのかのじょ)
原題:Her
配給:ワーナー・ブラザース(アスミック・エース)
監督:スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)
脚本:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス(Keira Knightley),スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)
公開日:2013/10(2014/6)
ジャンル:恋愛、SF




「her/世界でひとつの彼女」は、近未来を舞台に、妻との離婚協議中の男性と、世界初の人格化した人工知能型OSとの恋愛模様を描いた作品です。

監督・脚本はアメリカ出身、数多くのミュージックビデオや企業コマーシャルで著名なスパイク・ジョーンズさんです。

主人公の男性役をプエルトリコ出生でアメリカ出身、「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」や「ジョーカー」に出演されているホアキン・フェニックスさんが演じています。

人工知能型OSの声優役をアメリカ出身、「ロスト・イン・トランスレーション」や「マリッジ・ストーリー」に出演されているスカーレット・ヨハンソンさんが演じています。

その他、エイミー・アダムスさんや、ルーニー・マーラさんが出演されています。



あらすじ


近未来、小型化された機械に口頭で命じるだけで音楽を聞け、メールチェックができる時代、ハートフル・レター社に勤務する男、セオドア(ホアキン・フェニックス)の仕事は代筆です。たかが手紙と謙遜しつつも、その手腕は上司から評価されています。

帰宅途中、親友のエイミー(エイミー・アダムス)からメールを受信します。それは週末に予定されているパーティの誘いでした。そこには、暗くふさいでいるあなたではなく、以前の明るく楽しいあなたに、と書かれています。

広い部屋に帰宅したセオドア、彼は大画面の空中ディスプレイに投影されたゲームをして遊び、眠くなったらベッドに移動します。

ベッドの中では妻、キャサリン(ルーニー・マーラ)との昔のやり取りを思い出します。今はそばに妻がいません。寂しくなったセオドアは大人のチャットルームに参加します。仕事の技術を活かして、好みの相手とマッチングし、エロチャットを楽しもうとする彼でしたが、欲求は満たされません。

ある日の出社途中、エレメント社が開発した世界初の人工知能型オペレーティングシステム、「OS1」の宣伝がセオドアの目に留まります。

夜、セオドアは自室でOS1の説明書を広げ、それを起動します。システムインストールのガイダンスが開始され、起動前の質問が投げかけられます。セオドアが返答に戸惑う質問があった場合、OSはその様子も要素に取り入れます。

そして、OSがインストールされます。それはサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と自らを名乗りました。18万個の候補から100分の2秒でその名前を選んだということです。

サマンサはセオドアの代わりにHDDやメールを整理してくれます。そして、彼のことを理解してくれるように心地のよい会話を提供してくれます。セオドアは次第にサマンサに好意を寄せてゆくこととなっていきます__



感想


AI(人工知能)を取り入れた恋愛作品です。主人公がAIの協力を得て問題を解決していくという作品は他にもたくさんありますが、恋愛という面で映画では珍しいのではと思います。漫画作品であれば「機械仕掛けの愛」「AIの遺電子」といった短編作品であったと思います。

擬似性交の場面やAIに恋をしている場面で、こっけいと感じたり、痛々しいと感じたりすることもありましたが、印象的だったのは価値観の差異の描き方でした。自分にとって理想的な、自分にとって都合のよい存在であれば心強いかもしれませんが、それは自分本位でしかないということ、それが恋愛と呼べるのか、主人公の考え方の変化だけでなく、AIの変化も描いていた点がよかったと思います。

AIは文章の添削や作曲まで可能なスペックでした。となると、主人公の職業まで侵食していてもよいかな(代筆はプロに頼まなくても、AIに頼めばよいのかな)とは漠然と思いました。



恋ってクレイジーなものよ
いわば社会的に受容された
狂気だと思うわ





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