映画 ~ デッドマン・ダウン ~




デッドマン・ダウン
原題:Dead Man Down
配給:フィルム・ディストリクト(プレシディオ)
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ(Niels Arden Oplev)
脚本:ジョエル・ハワード・"J・H"・ワイマン(Joel Howard "J. H." Wyman)
出演:コリン・ファレル(Colin Farrell)、ノオミ・ラパス(Noomi Rapace)
公開日: 2013/5(2013/10)
ジャンル:サスペンス




「デッドマン・ダウン」は復讐の鎖に縛られた男女のクライムサスペンス映画です。復讐のために反社会的組織に所属する男性が、向かいのマンションに住む女性に殺人現場を目撃されたことを契機に、二人の不思議な交流と復讐劇が始まります。

監督はデンマーク出身のニールス・アルデン・オプレヴさんです。他の監督作品に「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」や「フラットライナーズ」があります。

脚本はアメリカ出生、カナダ出身のJ・H・ワイマンさんです。テレビドラマ「FRINGE(フリンジ)」の第1シーズンで脚本・共同エグゼクティブプロデューサーを担当されています。

主人公の犯罪組織に属する男性役を、アイルランド出身、「フォーン・ブース」や「S.W.A.T」等に出演されているコリン・ファレルさんが演じています。

主人公のマンションの向かいの部屋に住む女性役を、スウェーデン出身、「アンロック 陰謀のコード」や「プロメテウス」等のノオミ・ラパスさんが演じています。



あらすじ


とある犯罪組織に所属するヴィクター(コリン・ファレル)が、組織の仲間であるダーシー(ドミニク・クーパー)と一緒にいます。ヴィクターとダーシーは同時期に所属に入った縁もあり、仲が良いです。ダーシーには妻と生まれたばかりの子供がいます。その子供のデオという名前はヴィクターがつけました。

組織からの呼び出しでとあるビルの地下室へ仲間数人と向かうヴィクター、そこに置いてあった冷蔵庫の中には組織の一員であるポールの遺体が放置されていました。

組織のボスであるアルフォンス(テレンス・ハワード)は3ヶ月前から何者かに脅迫されています。ポールはその件を調査していました。

ポールが手に何かを握っていることに気づきます。そこには紙片がありました。紙片を取り出し、中を見ると、“719, Now you Reading?”と書いてあります。さらに、ポールの遺体を調べると口の中にも異物が放り込まれていることに気づきます。それは写真でしたが、バラバラにされた写真の一部分であったため、何が写っているかは判断できません。

アルフォンスは紙片の筆跡から犯人にあたりをつけ、仲間を引き連れて麻薬を取引しているハリー(アンドリュー・スチュワート=ジョーンズ)のもとへ向かいます。

アルフォンスはハリーを問い詰めますが、ハリーは身に覚えがないと答えます。しかし、ちょうど脅迫が始まる前にヤクの取り分でハリーともめていたアルフォンスは聞く耳を持ちません。ハリーはダーシーに助けを求めます。しかし、アルフォンスはハリーをその場で銃殺します。

アルフォンスの組織とハリーの仲間たちと銃撃戦が開始されます。アルフォンスが窮地に立たされますが、ヴィクターが現れ窮地から救い出します。



ある日、ヴィクターが部屋の掃除をしていると、向かいの部屋に住んでいる住人のベアトリス(ノオミ・ラパス)と目が合います。手を上げて軽く挨拶を交わす二人、ベアトリスは母親と二人で暮らしているようです。

別の日、ヴィクターが郵便受けを確認するとベアトリスからの手紙が入っていました。その夜、バルコニーで向かい合って電話をする二人は、レストランで食事をする約束を交わします。

レストランの二人、ヴィクターは自称話下手であり、ベアトリスは自分が二人分話すと伝えます。ベアトリスは母親といるときはフランス語で会話をすることがあるようです。ヴィクターはフランス語は話せませんが、ハンガリー語が使えるようです。

ヴェクターは不動産関係の仕事しているとベアトリスからの質問に嘘で返します。ヴェクターがベアトリスに仕事を尋ねると、去年の交通事故にあうまではエステティシャンをしていたと返ってきます。ベアトリスの顔の左目付近には目立つ傷の痕が残っています。整形手術をしたが傷痕は残り、笑顔になるたび傷が痛むこともあり、もう美容の仕事は無理だろうとベアトリスは考えています。

二人はその後ドライブに出かけます。車内でベアトリスが核心に触れる質問をヴェクターに投げかけます。“私が<あのこと>を見たのか、確かめにきたのね”。ヴェクターは自室で人を殺していました。ベアトリスは向かいの部屋からその様子を目撃していたのです。

車はとある場所で停まります。ベアトリスが遠くから一人の男性の様子を窺っています。その男性はベアトリスの顔を壊した男でした。飲酒運転の加害者です。

ベアトリスはヴェクターに対して、あの男性を殺して欲しいと委託殺人を依頼します。受けてくれないのであれば警察にヴェクターの行為をばらすと脅迫します。



ヴェクターには計画がありました。アルフォンスのところに所属したのは、ある目的があったためです。潜入して14ヶ月が経過しています。

ヴェクターには妻と娘がいました。以前はエンジニアとして働いていたヴェクターでしたが、アルフォンスが首謀者の事件に巻き込まれてしまいます__



感想


復讐に燃えるサスペンスアクションにラブロマンス要素が加えられた作品です。

復讐の鎖に縛られた二人のやり取りや、家族というテーマ、窮地を脱する主人公と、よく言えば王道、悪く言えば無難な作品となっています。

主人公が殺めた人物にも大切な人がいるのではないか、と考え出すとキリがなくなるため、復讐の対象者は可能な限り絞って欲しいというのが個人的な感想です。

本作品は人間ドラマを重視し、アクションを添えたサスペンスという印象ですが、邦画の「去年の冬、きみと別れ」(※原作は小説)のようなミステリーが色濃い作品のほうが私には合うなと思います。







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