映画 ~ アンロック 陰謀のコード ~




アンロック 陰謀のコード(アンロックいんぼうのコード)
原題:Unlocked
配給:ライオンズゲート(キノフィルムズ)
監督:マイケル・アプテッド(Michael Apted)
脚本:ピーター・オブライエン(Peter O'Brien)
出演:ノオミ・ラパス(Noomi Rapace)、オーランド・ブルーム(Orlando Bloom)
公開日:2017/5(2018/4)
ジャンル:サスペンス




「アンロック 陰謀のコード」は、女性CIA尋問官が謀略と殺略が蔓延るテロ事件の阻止を図る、アメリカとイギリス合作のサスペンス映画です。過去にテロ事件を阻止できず自責の念に駆られていた女性CIA尋問官、第一線を退いてイギリスで過ごしていた彼女でしたが、CIAが新たなバイオテロ計画の情報を入手し、容疑者尋問のために彼女に白羽の矢が立つことになります。

監督はイングランド出身、「歌え!ロレッタ愛のために」、「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」等のマイケル・アプテッドさんです。

脚本はアメリカ出身のピーター・オブライエンさんです。

主人公となるCIA尋問官を演じたのは「プロメテウス」等のスウェーデン出身、ノオミ・ラパスさんです。主人公と偶然出会い、相棒のように活躍する元海兵隊員役を「エリザベスタウン」等のオーランド・ブルームさんが演じています。



あらすじ

ロンドン、観光名所にはカメラを構えている観光客がたくさんいます。その一方で、安価なコインラインドリーにはアラブ系の人たちがいます。

地区センターの移民向けの就職斡旋の窓口にいる女性、アリス・ラシーン(ノオミ・ラパス)、彼女は窓口を訪ねてくる人たちの相談に乗っています。

一人の陽気な若い男、アムジャド(トシン・コール)が相談にやってきます。調子の良い彼は、アリスのそばに飾ってあった小さなパリのエッフェル塔のアクセサリーを手に取ります。するとアリスに即座に注意されてしまいます。アリスにとって、それは何か大切なもののようです。


夜、立ち飲み屋で人を待っていたアリス、犬を連れてきたのはMI5(イギリス保安局)に所属する知り合いのエミリー(トニ・コレット)でした。アリスとエミリーは情報交換として連絡を取り合っているようです。


アリスの自宅、冷蔵庫には2012年に発生したパリでのテロ事件の新聞記事が貼ってあります。街中に火が上がり、多くの人が血を流して倒れた事件でした。


とあるモロッコ料理店、二人の男が机に向き合っています。一人は、イスラム教の指導者ハリル(マクラム・フーリー)であり、もう一人は伝達役としてハリルからの指示を受けている男性、ラティーフ(エイメン・ハムドゥーチ)です。

ハリルの使者としてトンネル内をバイクで走るラティーフ、しかし、複数の男性に襲われ、そのまま拉致されます。


その頃、モスクワのドモジェドヴォ空港では、生物兵器が輸送されようとしていました。それは「マールブルグ・ウイルス」というバイオテロの道具です。


さらに場面が変わって、どこかのナイトプールに男性の死体が浮かんでいます。


また場面が変わって、バージニア州ラングレーのCIA、CIAの欧州部門長(ジョン・マルコヴィッチ)は、英国内での対米テロ計画の情報を入手しました。ハリルが、テロ組織の一員であるデヴィッド・マーサー(ミヒャエル・エップ)にテロの指示をしたようなのです。

テロの全貌を解明するために尋問官が必要でしたが、ナイトプールで発見された遺体の身元はドイツから呼んだ尋問官でした。そこで、同盟国の片隅でくすぶっているアリスを任務に指名しようとします。しかし、アリスは問題を抱えていました。

アリスのCIAの元上司であるエリック・ラッシュ(マイケル・ダグラス)とアリスが会話しています。アリスはパリのテロで24人もの被害者が出たのは自分の責任であると思っています。アリスは当時、首謀者の尋問を担当しており、最終的に自供を引き出したのですが、結局、テロは阻止できなかったのです。ラッシュは、テロで犠牲者が出たのはアリスのせいではない、と慰めます。

アリスはそれ以来、表向きは移民の就職斡旋を行う窓口を担当しながら第一線を退いていました。


しかし、アリスがバスに乗っていたところ、サッターを名乗る男性(マシュー・マーシュ)から、突然、新聞を渡されます。そこに書かれた場所へ向かうと、アリスはテロ計画に対する認証手順(コード)を聞き出すよう指令を受けます__



感想


小説「英国のスパイ」や映画「裏切りのサーカス」に続いて、英国が関連する謀略が交差する作品です。本作品の主人公は女性でCIAに所属する尋問官の肩書きを持つ人物です。

尋問官ということで、序盤に容疑者を尋問するシーンがあるのですが、海外ドラマ「24」のジャック・バウアーの肉体を痛めつけたり、親密な関係者を利用して脅したりとは異なり、語学や挙動、話術で相手から情報を引き出すシーンは素直におもしろかったです(実際にどっちがいい方法なのかはわかりません)。

そして、尋問官だから出来ることが限られているかと思いきやそうではなく、その後のシーンでは肉弾戦、銃撃戦、ピッキング等、優秀なエージェントっぷりが観れます。


主人公の裏で物事が動く、話が2転3転する、という謀略作品にありがちな物語をややこしくする要素は本作品にも存在します。しかし、本作品は、上映時間が長くなく、テンポがよく、主人公目線を中心として時系列順に物語が進むために、観賞しやすい作品だと思います。

全体を通して考えると、敵も味方も行動が遠回り過ぎる気がする点(実行犯をターゲットにしたほうが速いような)、主人公がどうしてその場所にたどり着けたのかと疑問を感じた点、ご都合主義的な点もありますが、あまり難しく考えずに楽しめるという部分でいい作品だと思います。







 

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