映画 ~ ペインレス ~




ペインレス
原題:Insensibles
監督:フアン・カルロス・メディナ(Juan Carlos Medina)
脚本:フアン・カルロス・メディナ、ルイソ・ベルデホ(Luiso Berdejo)
出演:アレックス・ブレンデミュール(Àlex Brendemühl)
公開日:2012/10(2013/9)
ジャンル:サスペンス




「ペインレス」はスペインのある地方に存在した痛覚のない子どもたちの過去の歴史と、事故を契機に自身のルーツを探る現在の医師を描いたスペイン・フランス・ポルトガル合作のサスペンス映画です。

監督はアメリカ出身、「切り裂き魔ゴーレム」のフアン・カルロス・メディナさんです。

脚本はスペイン出身、「ネスト」の監督のルイソ・ベルデホさんです。

事故をきっかけに自分のルーツを探る医師役を、スペイン出身、「Les dues vides d'Andrés Rabadán」といった作品に出演されているアレックス・ブレンデミュールさんが演じています。

その他、トーマス・レマルキスさん、シルビア・ベルさんといった方々が出演されています。



あらすじ

スペインの医師、ダビッド・マルテル(アレックス・ブレンデミュール)は妻のアネイス(イレーネ・モンターラ)を助手席に乗せて運転中に事故を起こしてしまいます。

前妻の医師のジュディス(シルビア・ベル)の治療の甲斐もあって、マルテルは一命を取りとめますが、アネイスは亡くなります。そして、妊娠中だったアネイスの胎児の命が奇跡的に救われます。

しかし、治療の過程の検査で、悪性の腫瘍がマルテルの体を蝕んでいることがわかります。最初は自棄になっていたマルテルでしたが、赤ん坊のために命を紡ぐべく、骨髄移植のために両親のもとを尋ねます。しかし、彼は隠された秘密があることを知ることになります__


1931年、10人近い子どもたちが議会の前に晒されています。彼らは傷だらけでした。犯人を許せないという声、しかし、犯人などいません。彼らは痛覚を持っていません。痛みのない彼らは自身を傷つけることに何の抵抗もありません。そして、彼らによって、普通の子どもたちが被害にあう事件も発生してしまいました。

未知の病によって多くの犠牲が支払われていると、彼らは監禁されることになります。医師や看護師の監視下のもと、制限された生活を送ることになった彼ら、中でもベニグノという少年には特別な力があるということで注意が払われることになりますが__



感想


痛覚を持たない子どもが何の悪意もなく、普通の子どもを事件に巻き込む冒頭のシーンから引き込まれました。一方で、冒頭のシーンが印象的だからこそ、現在と過去を交互に描く進め方には満足できませんでした。

痛覚を持たない子どもたちがどのように成長していくのかと思いきや、この作品ではそこを中心に描くのではなく、自身のルーツを探る男や、世界大戦中のスペインとドイツの歴史を描くことにも話の重点を於いています。

勝手にストーリーを期待した私が悪いのですが、結局、全体的に中途半端な印象を抱いてしまいます。最初から自身の出生の秘密を探る男を中心に描いたほうがよかったのではと思います。個人的には痛覚を持たない人が他人の痛みを共感できるか、哲学的な側面をより強く描いてくれれば、もっと満足できたと思います。

最後に、食事も満足に与えられずに、栄養摂取をどうしていたのかの点はとても疑問です。成長の速度も違和感がありました。ベルカノはもっと強烈な印象を残すキャラクターになりそうでしたが、こちらも描き方が足りないように思います。











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