5W1H殺人事件 解決まではあと6人(かいけつまではあとろくにん)
著者名:岡嶋二人(おかじま ふたり)
出版社:講談社
発売日:1985/6(1994/7)
ジャンル:推理
「解決まではあと6人」は謎の女性が複数の探偵社に異なる奇妙な依頼を持ちかけたことから生じる事件を描いた推理小説です。
著者は「クラインの壺」等の岡嶋二人さんです。岡嶋二人さんは井上泉さんと徳山諄一さんのコンビのペンネームです。井上泉さんはコンビ解消後、井上夢人さん名義で「ラバー・ソウル」といった作品を発表されています。
本作品は1985年に双葉社さんより「5W1H殺人事件」のタイトルで発刊された後、1994年に講談社さんから「解決まではあと6人」のタイトルに改題され発刊されています。
あらすじ
興信所で探偵業を営む男、神山謙一(かみやま けんいち)は新しいクライアントに応対しています。依頼主は平林貴子(ひらばやし たかこ)と名乗りました。神山は恐らく偽名だろうと考えています。依頼主が持ってきた依頼内容は不可思議なものでした。
カメラの持ち主を捜していただきたい、それが依頼主の内容でした。神山は詳細を求めます。どういう経緯でそれを入手したのか、どうしてそのカメラを興信所に持ってきたのか、しかし、依頼主は申し訳なさそうに答えます。このカメラからだけで持ち主を捜していただけないかと。
神山は訝しげながらも、その依頼を引き受けます。依頼者の秘密には立ち入らないというのが仕事の鉄則でした。
そして、平林貴子の依頼は神山の興信所に持ち込まれたものだけではありませんでした。マッチから喫茶店を捜して欲しい、盗難車のシートが外されていた理由が知りたい、それらはとある事件へと繋がっていきます__
感想
複数の探偵社に異なる奇妙な依頼が舞い込み、それが繋がっていくオムニバス形式の推理小説です。
各章ごとが短編となっているため、読み易い作品だと思います。また、デジタルデータを利用した暗号は個人的に好みでした。
ただし、依頼主の行動が回りくどすぎるかなと感じた点、物語の展開上、各登場人物が深く描けないために印象が薄い点が気になりました。あと私が読んだ版では、第4章がHOW?で、終章がWHAT?でしたが、個人的には逆な気がしました。重要な何かの情報を捜す4章と、事件がどのように変遷していたのかを明かす終章と、そう考えたほうがタイトル的にも自然だと思います。最も納得しがたい部分です。
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