映画 ~ 風に濡れた女 ~




風に濡れた女(かぜにぬれたおんな)
配給:日活
監督:塩田明彦(しおた あきひこ)
脚本:塩田明彦
出演:永岡佑(ながおか たすく)、間宮夕貴
公開日:2016/12
ジャンル:恋愛、ヒューマン






「風に濡れた女」は都会の喧騒から逃れ森の山小屋で静かに暮らそうとしていた男のもとに、本能のまま自由に生きる女が現れ、平穏と欲望の間で男が葛藤する様を描いた映画です。

監督は「どろろ」や「害虫」、「黄泉がえり」等の塩田明彦さんです。

主演は「コード・ブルー」や「半沢直樹」等、数多くのドラマの出演経験を持つ永岡佑さんと、「ビジランテ」や「フィギュアなあなた」等に出演されている間宮夕貴さんです。


本作品は「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」という企画の中の一作品です。

映倫からR-18に指定されており、いわゆる濡れ場がちょいちょい出てきます。

詳細は映画.comさんの専用サイトをぜひ確認いただくということで、本作以外にも、行定勲監督作品「ジムノペディに乱れる」、白石和彌監督作品「牝猫たち」、園子温監督作品「ANTIPORNO」、中田秀夫監督作品「ホワイトリリー」とそうそうたる監督が名を連ねています。



あらすじ


森の中、リアカーをひく白いシャツの男(柏木高介/こうすけ/永岡佑)、彼が向かった先の港でのんびりと本を読んでいると、自転車に乗った女(汐里/しおり/間宮夕貴)が近づいてきて、そのまま海に自転車ごと突っ込んでいきます。

何事もなかったかのように陸にあがってきてTシャツを脱ぐ汐里、シャツの下には下着もなく、白昼のもと、乳房があらわになります。

高介はそのまま何事もなかったかのように汐里から距離をとろうとします。

汐里は泊めてくれないかと高介に頼みます。

高介は無視してその場を離れ、リアカーをひいて来た道を戻っていこうとします。

“おい、おっさん”と無視する高介の後をつける汐里は、勝手にリアカーに飛び乗ります。

“いくら払う?”とようやく汐里に口を利いた高介、“払うのはお兄さんだ”とリアカーから高介の肩に肩車の格好へと好き勝手に移動する汐里、高介はリアカーを引いていた手を離したかと思うと、次の瞬間、アルゼンチンバックブリーカーのように汐里を抱え上げ、そして路肩へと彼女を放り投げます。

それでも「大きな栗の木の下で」を歌いながら高介の後をついて行く汐里、ついて行った森の中には山小屋が建っていました。

つきまとう汐里に“野良犬みたいなやろうだな”と言い放ち相手にしようとしない高介、“あんた、あたしにロックオンされたんだ、逃げられると思うなよ、逃げられるわけないんだ”と汐里は応え、その場から立ち去ります。


翌日、山小屋でコーヒー豆をひいている高介、そこにバッテリーを積んだ左ハンドルの車がやって来ます。

車を運転してたのは湯沢くんという電気屋さん?であり、定期的に山小屋の発電機のメンテナンスを担当している高介の知り合いのようです。

その後、窪内さんという二人の共通の知り合いで喫茶店を営むマスターの店に行くことになります。
窪内さんは奥さんと娘さんと別居中ということです。

窪内さんの喫茶店に行くと、そこで汐里がウェイターとして働いていました。

湯沢くんが自作のポエムを発表している横で、高介は汐里のことを少し気にかけているそぶりを見せます。

高介と湯沢くんが帰った後の閉店した店内、窪内さんが汐里を押し倒し、SEXしています。


さらに翌日、露店で野菜を購入した高介が山小屋に帰ってみると、小屋の中で汐里が見知らぬ男とSEXしていました。

何事もなかったかのように小屋を出て一服する高介、少しして二人が外に出てきます。
高介は男に対して、“それで君誰?”と尋ねています。

汐里のほうは、“ねえ、だんだんやりたくなってきてるでしょ。でもだめ やったらあんたの負けだから”と高介を挑発します。

その夜、高介が寝ていると、寝床の下から携帯の着信音が響きます。高介は携帯を持っておらず、突然どこからか鳴り響いた携帯をようやく見つけたと思って電話に出てみると、汐里がSEXしている実況音声が携帯から流れてきます。

すぐに切断する高介、少ししてまた着信、高介は携帯を小屋の外に放り投げます。

翌朝、汐里が小屋にやってきて__



感想


「ジムノペディに乱れる」に続いて2回目の「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」視聴作品、今回の作品は世間から離れて暮らそうとする男のもとに、本能のままに生きる魅力的な女性が突然やってきて、捨てたかったはずの欲望と葛藤するというわかりやすい構図があり、前回よりは作品をすんなりと受け入れられました。

特に、最初の汐里の登場シーンや高介が汐里を投げ飛ばすシーン等、前半の勢いはかなり良かったです。

一方で、後半は東京の劇団員がワラワラと出てきてしまった結果、結局、高介と汐里の駆け引きが嫉妬一辺倒となってしまい少し物足りなくなってしまいました。

これが今回のプロジェクトのルールの一つである「10分に1回の濡れ場」の影響ということであれば、やはりそんなルールはいらないんじゃないかとも思います。

このような作品に筋道や背景なんて不要だと思いますが、ロマンと謳っている以上、高介にはギリギリまでストイックであり続けて欲しかったなという印象でした。

後半は中谷仁美さんの印象が強く残っています。






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