映画 ~ 放課後ロスト ~



放課後ロスト(ほうかごろすと)
配給:プロジェクトドーン
監督:天野千尋(あまのちひろ)、名倉愛(なぐら あい)、大九明子(おおく あきこ)
脚本:天野千尋、名倉愛、大九明子
出演:未来穂香(みき ほのか/矢作穂香)、佐藤すみれ、松岡茉優
公開日:2014/8
ジャンル:青春




「放課後ロスト」は、廃校予定の文化祭間近の高校を舞台の中心に、思春期の期待と不安定が入り混じった様子をノスタルジックに描いた青春映画です。

「リトル・トリップ」「らくがき うわがき」、「倍音」の短編3編から成るオムニバス作品です。

監督はそれぞれ、愛知県出身の天野千尋さん、静岡県出身の名倉愛、神奈川県出身の大九明子さんです。

主演はそれぞれ未来穂香さん、佐藤すみれさん、松岡茉優さんとなっています。

「倍音」の大九監督と松岡茉優さんは「勝手にふるえてろ」以前にこの作品で初タッグを組んでいます。

原作は五十嵐藍さんのマンガ「ワールドゲイズ クリップス」となっています。



あらすじ


廃校が決定していて3年生しかいない高校、文化祭の準備で演劇の練習をしている声が校舎内から聞こえています。

屋上にやってきて、ため息をつく一人の女子生徒(有川夕希/未来穂香)、そこに、でこだしポニーテールの委員長と呼ばれている女子生徒(佐藤絢子/高嶋香帆)がやって来ます。

後を追うように一人の男子学生がやってきます。どうやら男子生徒から委員長へ告白しているようです。

空気を読んでかその場から去る夕希、階下には男子生徒が委員長に告白したなんて許せないと言っている女子生徒が3人います。


放課後、告白の嫌がらせか委員長が玄関に行くと靴が汚れていました。

そのまま帰宅していく委員長、夕希は後ろからついていきます。

委員長は音楽ショップに寄り道しており、その出口で声をかける夕希、最初は相手にしようとしなかった委員長でしたが、靴の汚れを指摘され、夕希が案内した喫茶店の前で靴の汚れを落とし、二人でモカを頼みます。

注文を頼んだ後、委員長は夕希を無視して勉強を始めます。家に帰りたくないんだと夕希は委員長にちょっかいをかけます。夕希は委員長に痣があることを気にします。

委員長が何を聞いているのか気になった夕希は、委員長の鞄からこっそりと携帯音楽プレイヤーを抜き取ります。


日が変わって、教室、昨日と同様に文化祭の準備をしている生徒たち、そこには委員長も混じっています。

ふと委員長が窓を見ると、屋上に夕希がいてジェスチャーで屋上に来るように伝えています。

委員長が屋上に向かい、二人は屋上でもさらに高い屋根の部分に隣り合わせになって語り合います。

音楽ショップで何を探していたのかと尋ねる夕希、願望は人に話すと叶わなくなるという自論を持っているため内緒と答える委員長、二人は少しずつ距離を近づけていきます。

嫌がらせをしようとする同級生を撃退したり、二人で夜の道をドライブしたり__



感想


廃校が近い3年生しか残っていない高校の文化祭で3人の異なる女子高生を3人の異なる監督が手がけた短編集です。

どの作品も思春期の高校生を主人公にしているということで、作品中の他者(二人)の距離感、世界との距離感を楽しめます。

また、冒頭に出てくる風船のように夢や期待がいくらでも膨らんでいくような可能性を感じる一方で、一瞬で大切なものが破裂してしまうそうな危ういリスクも感じられます。

中でも「倍音」での日常の音を録音して後で楽しむという、日々の出来事と距離を置いて非日常化するという表現を作中に取り入れたシーンが好きでした。


ちなみに原作のほうも読んでみたのですが、「リトル・トリップ」の元となっている話が原作での「放課後ロスト」となっています。

ぴーぴーぴぴーぴ ぴぴーぴー
ばいおんそおーーーーーおー







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