映画 ~ まともな男 ~




まともな男(まともなおとこ)
原題:NICHTS PASSIERT
英題:A Decent Man
監督:ミヒャ・レビンスキー(Micha Lewinsky)
脚本:ミヒャ・レビンスキー
出演:デーヴィト・シュトリーゾフ(Devid Striesow)
公開日:2015/9
ジャンル:ヒューマン,サスペンス




「まともな男」は妻と娘、上司の娘を加えた4人旅行での男性が抱えるトラブルを描いたスイスとドイツ合作のヒューマンサスペンス映画です。

監督・脚本はドイツ出生、スイス出身、「Der Freund」、「Herr Goldstein」のミヒャ・レビンスキーさんです。

倦怠期の妻と反抗期の娘に上司の娘を加えて旅行に出かける男性役をドイツ出身、「ヒトラーの贋札」、「Ich bin dann mal weg」に出演されているデーヴィト・シュトリーゾフさんが演じています。

その他、マレン・エッゲルトさん、アニーナ・ヴァルトさんといった方々が出演されています。

本作品は2016年にスイス映画賞で最優秀脚本賞を受賞しています。


あらすじ


トーマス(デーヴィト・シュトリーゾフ)は家族と一緒にスキー旅行の準備を進めています。小説家の妻、マルティナ(マレン・エッゲルト)とは倦怠期なのかお互いに微妙な壁を感じています。思春期の娘、ジェニー(ロッテ・ベッカ)も反抗期のため、少しよそよそしいです。

車で滞在先に向かう途中も車内には微妙な空気が流れています。さらに、トーマスの上司の娘であるジェニー(ロッテ・ベッカー)が一家の旅に同行することも、マルティナとジェニーは歓迎していませんでした。

滞在先に一向は到着しますが、電気がつかなかったため、トーマスは早速、友人であり管理人(ステファヌ・メーダー)のもとへ向かいます。話を聞いた管理人はすぐに息子のセヴェリン(マックス・フバッヒャー)を現地に向かわせます。トーマスと管理人は久しぶりの再会で近況を話します。

トーマスはアルコールを控えていました。飲みすぎて同僚と些細なトラブルを起こしてしまって、セラピーと相談してアルコールを控えています。管理人との会話後、トーマスは滞在先に戻ります。

到着すると、セヴィがすでに電気を復旧した後でした。セヴィは夜に友人のパーティーがあると、ジェニーとザラを招待します。トーマスは最初反対しますが、2人に押されて渋々ながら許可します。マルティナは自分だけいい顔をするトーマスの行動を快く思っていません。

トーマスは2人を会場に送り、自身は喫茶店で時間を潰します。当然、アルコールは控えています。約束の時間になって会場に迎えにいくと、そこにはジェニーの姿はありましたが、ザラがどこかに消えていました__



感想


何とかなるはずだったことが、何とかならなくなってしまう作品です。

主人公のトラブル発生時の選択は結果論として間違っていましたが、被害者の協力が得られない以上はベターな選択だったと思います。しかし、世の中は不条理もので、物語は居たたまれない方向に動いていきます。その描き方も自然です。

主人公の選択に関してどうすればよかったのか、いろいろと議論で楽しめそうな作品でもあります。旅行しなければ家族との仲が悪くなっていたかもしれない、上司の娘を連れて行かなければ職場での立ち位置が悪化していたかもしれない、単純にはいかない社会と人の関係が観ていてもどかしいです。

このようなケースまでには至らないとしても、体裁だけ取り繕った結果、後々大きなトラブルを引き起こしたり、いつの間にか事件の共犯者のようになってしまっていたり、あり得なくなさそうなシチュエーションを描いたサスペンス作品としてとても楽しめました。









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