映画 ~ 転がるビー玉 ~




転がるビー玉(ころがるびーだま)
監督:宇賀那健一(うがな けんいち)
脚本:宇賀那健一、加藤法子(かとう のりこ)
出演:吉川愛(よしかわ あい)
公開日:2020/2
ジャンル:ヒューマン





「転がるビー玉」は渋谷の再開発により取り壊される予定のマンションで、ささやかな期間限定の共同生活を送る若者女性3人を描いたヒューマン映画です。

監督は神奈川県出身、「黒い暴動❤」、「サラバ静寂」の宇賀那健一さんです。

脚本は「わたしたちの家」、ドラマ「湘南純愛組!」の加藤法子さんです。

オーディションに挑み続けるモデルの女性役を東京都出身、「ルームメイト」(吉田里琴 名義)や「虹色デイズ」に出演されている吉川愛さんが演じています。

他に萩原みのり さん、今泉佑唯さんといった方々が出演されています。

本作品は女性ファッション誌「NYLON JAPAN」の創刊15周年プロジェクトとして製作されています。



あらすじ


再開発が進む街、渋谷、いずれ取り壊される予定のマンションで愛(吉川愛)、瑞穂(萩原みのり)、恵梨香(今泉佑唯)の3人の女性がルームシェアをしています。

モデルとしてたくさんのオーディションに参加しながらも、理想の仕事にたどり着けないストイックな愛、アルコールや男性に依存してしまうところがある出版社で雑用をこなしながら日々を過ごす瑞穂、固定客は1人のサラリーマンしかいないが、夜の渋谷の歩道橋でストリートミュージシャンとして歌う恵梨香、同世代の3人の若者が洗濯、掃除、料理を分担しながら、ささやかな期間限定の共同生活を送ります。

恵梨香はよく夢を見ます。幸せな夢から怖い夢まで様々です。その日は、恵梨香が作った曲のPVに愛が出演し、その曲を瑞穂が取材しているという夢でした。朝の食卓の場で、いつか叶うといいねと言いながら3人は食卓を囲みます。決して現状に満足しているわけではない3人、その姿は瑞穂が愛にあげた、一部が欠けたビー玉のように煌めいています__



感想


都会の街の様相が変わろうとする中で、夢や希望を抱き変わろうとする若者を描いた作品です。

ささやかな日常を切り取っていることが本作品のストーリーの特徴だと思います。人生を変えるような出会い、悲劇的な出来事、仰々しい事件、壮大な目標とマイルストーン、秘密にしている過去、近未来のような設定、そんなドラマはこの作品にはありません。起承転結の波は穏やで淡々としているかもしれませんが、非現実的なイベントを排除して、日常的な生活を描いている点にとても好感が持てました。

メインとなる3人の背景も少なく、特に恵梨香に関しては人物描写も少なかったと思うのですが、それでも主役3人が魅力的で儚くて素敵な存在に映りました。魅力的だからこそ、恵梨香の話はもっと観たいなと感じます。

ただ、花火のシーンはさすがに危なっかしいという感情しか抱かなかった点は少し残念でした。







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