映画 ~ 湯を沸かすほどの熱い愛 ~




湯を沸かすほどの熱い愛(ゆをわかすほどのあついあい)
監督:中野量太(なかの りょうた)
脚本:中野量太
出演:宮沢りえ(みやざわ りえ)
公開日:2016/10
ジャンル:ヒューマン





「湯を沸かすほどの熱い愛」は末期癌を宣告された母親が残される家族や自身の目標のために精一杯に周囲と向き合う様子を描いたヒューマン映画です。

監督・脚本は京都府出身、「長いお別れ」、「浅田家!」の中野量太さんです。

末期癌を宣告されることとなる母親役を東京都出身、「たそがれ清兵衛」や「紙の月」に出演されている宮沢りえ さんが演じています。本作品で2017年に日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞されています。

他に杉咲花さん、オダギリジョーさんといった方々が出演されています。



あらすじ


店主の夫が蒸発したため1年程前から営業休止の銭湯「幸の湯」、残された妻の幸野双葉(さちの ふたば/宮沢りえ)はパン屋でアルバイトしながら高校生の娘の安澄(あずみ/杉咲花)と生活しています。

安澄は高校2年生ですが、学校でいじめの被害にあっていました。美術の授業後、同級生によって制服が絵の具で汚されます。教員からの連絡ですぐに学校に駆けつけた双葉は、安澄を励まします。様々な色で汚された制服を見て、双葉は安澄に何色が好きか問いかけます。安澄は水色が好きだと答えます。双葉は、お母ちゃんはだんぜん赤が好き、と答えて、2人で仲良く帰宅します。

ある日、双葉がアルバイト中、突然倒れてしまいます。病院で検査を受けた結果、双葉は自身が末期癌であることを知ります。双葉は残されることになる家族のために、悲観する前にすぐに積極的な行動へと取り掛かります__



感想


末期癌を宣告された上で、自身の生き方と残される家族のために懸命に生きようとする女性を描いた作品です。

闘病、家族、愛といった部分を単純な美談として描いていない点がとても好印象でした。双葉の行動はときに強引だったり、残される家族が最期にとる行動も突飛だったり、これでよかったという結果論ありきの展開ですが、双葉の行動の一貫性、双葉の熱があるため、個人的には違和感を覚えながらも、それを超える感動がありました。

双葉、安澄、鮎子の背景、関係性を描写するうえで不要なシーンなんてなかったと思いますが、それでもいくつかの出来事が積み込みすぎとなっている点がもったいないと感じます。ヒッチハイカーや双葉の母親の話も考慮すると、2時間の映画では駆け足の話となってしまった気がします。末期癌を宣告された双葉にとってはふさわしい展開だったのかもしれませんが。







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