映画 ~ 繕い裁つ人 ~




繕い裁つ人(つくろいたつひと)
監督:三島有紀子(みしま ゆきこ)
脚本:林民夫(はやし たみお)
出演:中谷美紀(なかたに みき)、三浦貴大(みうら たかひろ)
公開日:2015/1
ジャンル:ヒューマン






「繕い裁つ人」は、先代から引き継いだ小さな洋裁店で服を仕立てる女性と、彼女の服に惚れ込む周囲の人々との交流を描いた作品です。

監督は大阪府出身、「幼な子われらに生まれ」、「ビブリア古書堂の事件手帖」の三島有紀子さんです。

脚本は神奈川県出身、「永遠の0」や「チア☆ダン」の林民夫さんです。

主演の洋裁以外は不器用な2代目店主を大阪府出身、「ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer 」や「嫌われ松子の一生」に出演されている中谷美紀さんが演じています。

彼女の洋裁に惚れ込む百貨店勤務の男性役を東京都出身、「進撃の巨人」や「キッズ・リターン 再会の時」に出演されている三浦貴大さんが演じています。

他にも、片桐はいりさん、余貴美子さん、杉咲花さんといった方々が出演されています。

池辺葵さんの同名タイトルの漫画が原作となっています。



あらすじ


様々な生地、色とりどりのボタン、カッタンカッタンとミシンが刻む音、南洋裁店は祖母から引き継いだ2代目の店主、南市江(みなみ いちえ/中谷美紀)が大切にしている場所です。

最近、そこへ足しげく通うスーツ姿の男がいます。藤井(三浦貴大)は百貨店の社員です。南市江の商品を取り扱うことに情熱を燃やしています。

南洋裁店の商品は、祖母の時代から取引がある個人店1店のみで取り扱われています。藤井は魅力的な南洋裁店の商品の取り扱いを増やすべきだと考えています。市江は先代の想いを引き継ぎ、先代の商品の仕立て直しに重点を置いています。

市江の母親の広江(余貴美子)がめげずに通う藤井の相手をしてあげます。広江いわく、市江は洋裁以外不器用だということです。藤井は市江に対して、頑固じじいって感じの印象を持っています。

市江はブランド化の話は断っています。人気モデルが着用した写真を藤井が用意しても、自分の魅力を知っている人には自分の服は不要だと、何より、先代のミシンでないと使えないと言います。

南洋裁店には近所の客がよく訪ねてきます。その日は、ゆき(杉咲花)と名乗る女子高生が、母親の服を着てみたいと、市江に相談に来ました。

そこは入れ替わり立ち代りで近所の人がやってきて世間話をしていく、市江にとって大切な場所なのです__



感想

生活の基礎といわれる衣食住の「衣」に焦点を当てた、穏やかで優しい雰囲気を帯びた作品です。

ファストファッションや、次々と変化していく流行の服装とは一線を画す、一生着続けたいと思える服を身にまとう人、身に着けたいと思う人たちの存在、物づくりの矜持があることに気づかされます。

冒頭に主人公を頑固おやじのようだと形容した藤井ですが、彼の目線、経験を通して、視聴者がその根拠、また、変化を感じ取れるように丁寧に描かれている点がよかったです。決して物語の展開に大きな波があるわけではないですが、この作品にはその雰囲気が似合っていて心地よいです。

夜会や葬儀の様子は良くも悪くも非現実的、三浦貴大さん演じる藤井はちゃんと他の仕事をしているのだろうか、の部分だけが気になりました。

夢見るための洋服を作っているんです。

生活感 出してたまるもんですか。





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