パラサイト 半地下の家族
原題:기생충
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ハン・チンウォン
出演:ソン・ガンホ、チェ・ウシク
公開日:2019/5(2019/12)
ジャンル:サスペンス
「パラサイト 半地下の家族」は、半地下の貧困家庭で暮らす4人、長男が高級住宅の家庭教師になったことを契機に、次々と家族が他人の振りをして、その家庭に入り込もうとする様子を描いた作品です。
監督は「グエムル-漢江の怪物-」等のポン・ジュノさんです。
脚本はポン・ジュノさんとハン・チンウォンさんの共同脚本です。
主演として、父親役を「シュリ」のソン・ガンホさん、長男役をチェ・ウシクさん、妹役をパク・ソダムさん、母親役をチャン・ヘジンさんが演じています。
その他、イ・ソンギュンさんやチョ・ヨジョンさんが出演されています。
本作品は2019年にカンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を果たし、2020年のアカデミー賞で外国語(非英語)作品として、史上初めて作品賞を受賞したことで大きな話題となりました。
あらすじ
窓が高いところにある家、そこは半地下にある狭く薄汚れた場所です。そこに4人の家族が暮らしています。
スマホを手にWI-FIのただ乗りができなくなったと嘆いている長男キム・ギウ(チェ・ウシク)、上の階のおばさんがパスワードを設定したのではないかと進言する妹ギジョン(パク・ソダム)、父のギテク(ソン・ガンホ)は家の中でフリーWI-FIが見つけられないかと助言し、母のチュンスク(チャン・ヘジン)はカカオトーク経由で内職先から連絡が来ていないかを尋ねています。
一家は貧困です。ある日、兄の友達の大学生ミニョク(パク・ソジュン)が山水景石のお土産を持って一家を尋ねます。そして、ギウに家庭教師の話を持ちかけます。ミニョクは留学するため、その間、高校生の英語を教えて欲しい、という内容でした。
大学生でもないギウは、なぜ自分が選ばれたのか不思議に思いますが、ミニョクは家庭教師先の生徒に気があり、軟派な大学の同級生には任せたくないということでした。ギウは入隊前に2回、除隊後に2回大学を受験しているため、学力は問題ありません。
ギウは家庭教師を引き受け、念のため、手先が器用な妹のギジョンに書類の偽装を頼みます。
家庭教師の初日、ギウが向かった先は高台にある高級住宅でした。そこは主人(イ・ソンギュン)と奥様(チョ・ヨジョン)、長女(チョン・ジソ)と弟(チョン・ヒョンジュン)の4人が暮らすパク家です。彼らは家政婦(イ・ジョンウン)や運転手(パク・グンロク)も雇っています。
ギウは奥様が見守る中で授業を無事に終えて、今後もパク家で長女の家庭教師として働くことになります。授業後の雑談中、弟のために美術の家庭教師を探しているとギウは聞きます。そこでギウは妹のギジョンにその役を任せられないかと画策します__
感想
貧富の差の社会問題を描いた作品です。ご都合主義と感じるデメリットな部分を、コメディ風にテンポよく進めることで相殺しています。
貧富の差がありながらも、弱者を貪る強者の醜悪さが目に付かなかった点が個人的にはよかったです。富豪家族は決して目の前で相手を侮蔑することはありませんでした。一方で、裕福な家族による決して越えられない貧富の差という一線が描かれ(視覚ではない要素も含めて)、そして、半地下の家族は別の側面で越えてはいけない一線を越えてしまいます。そこは本作品の妙だと思います。
長男が階下のパーティの様子を見下ろすシーンが印象的です。彼はそのときは何を考えて、何を計画していたのでしょうか。無警戒過ぎる家族や、不在だからといって傍若無人に振舞う家族と突っ込みどころも多々ありますが、両家族目線で不条理な社会を目が離せなくなるように描いている点が印象的でした。話の筋だけ追えば胸糞悪くなるだけの話なのですが、うまいこと描いていると思います。
金はシワをのばすアイロンだ
ひねくれたシワをピシッと
コメント
コメントを投稿