解放区(かいほうく)
監督:太田信吾(おおた しんご)
脚本:太田信吾
出演:太田信吾、本山大(もとやま だい)
公開日:2014
ジャンル:ヒューマン
「解放区」は映像製作会社に所属する男性の取材物語です。企画取材として、統合失調症の男性と一緒に大阪のとある地区の取材にあたります。
監督・脚本・主演は長野県出身、「わたしたちに許された特別な時間の終わり」等の太田信吾さんです。
その他の出演者として、本山大さん、山口遥さんといった方々が出演されています。
あらすじ
「引きこもり」をテーマとした取材のため、とある家庭を訪問する4人の男、スヤマ(太田信吾)はアシスタントディレクターとして参加しています。先輩ディレクター(岸建太朗)を中心に、統合失調症を患う引きこもりの男性の母親のインタビューの様子を撮影していたところ、本人と対談したいと先輩ディレクターが突然言い出します。
スヤマは交渉すべく階上に向かい、本山(本山大)に会います。本山が好きな音楽の話から距離を縮めていこうとするスヤマでしたが、先輩ディレクターは母親を扇動し撮影を強行しようとします。本山は当然取材を断ります。
取材後、先輩ディレクターはスヤマの行動が自身の指針と異なるということで、怒りをスヤマにぶつけます。詰められたスヤマは泣き出してしまい、取材クルーから立ち去ってしまいます。
スヤマはUVNという制作会社に勤めています。ミエコ(山口遥)という同棲相手がいます。スヤマは過去に大阪の西成区釜ヶ崎で出会った少年たちの現在を追うという「大阪サーモグラフティー」という企画書をもとに、取材を継続しているクルーから離れて、単身で大阪に向かいます。
現地に到着したスヤマでしたが、協力者が必要だと考え、先日取材した本山にアシスタントして協力してくれないかと投げかけます__
感想
ドキュメンタリーの体裁、いわゆるモキュメンタリー映画です。ドキュメンタリー風の映像は他の一般的な映画作品と異なり特徴的であり、そこに漂う雰囲気を生々しく感じさせてくれます。登場人物の関連性が少し強引だった印象です。先輩と合わないから独自に取材する、引きこもり気味だった男性に取材協力を要請する。ここまでは想像できます。しかし、現地まで来てくれた本山に対する最初からの態度・仕打ちが個人的には突飛過ぎました。冒頭のスヤマと同じ人物に思えなかったです。まだ、現地の取材を通して環境や状況が人を変えたという流れであれば理解できたのですが。
堕落する一方で自身の作品への矜持を持ち続ける中途半端さ、本山のカメラの前での訴え、この2つの部分が特に好きです。
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