映画 ~ 台風クラブ ~




台風クラブ(たいふうくらぶ)
配給:東宝、ATG
監督:相米慎二(そうまい しんじ)
脚本:加藤祐司(かとう ゆうじ)
出演:三上祐一(みかみ ゆういち)
公開日:1985/8
ジャンル:青春






「台風クラブ」は、台風接近を契機とした、中学生の解放感と高揚感、鬱屈が入り混じった狂宴や冒険を描いた青春映画です。

監督は岩手県出身、「翔んだカップル」、「セーラー服と機関銃」の相米慎二さんです。

男子中学生役を東京都出身の三上祐一さんが演じている他、工藤夕貴さん、大西結花さん、三浦友和さんといった方々が出演されています。



あらすじ


木曜日、夜のプール、男子中学生の山田明(松永敏行)は一人、夜の学校に侵入して泳いでいます。

すると、演劇部の宮田泰子(会沢朋子)を含む数人の女子生徒が乱入してきました。ラジカセから流れてくる音楽に合わせてプールサイドで踊る彼女たち、そして、山田の存在に気づいた彼女たちは、彼に悪戯をします。

街中を野球のユニフォーム姿で走る2人の男子生徒、三上恭一(三上祐一)と清水健(紅林茂)は学校への道を急いでいます。

プールに到着すると、明が気を失っていました。女子生徒に介抱されています。

三上が人工呼吸を試みます。そして、担任の梅宮先生(三浦友和)もやってきます。明は目を覚まします。何があったかと先生に問われた明は、泰子たちにコースロープで体の自由を奪われたと答えます。


金曜日、梅宮先生の数学の授業中、突然、教室に乱入者がはいてきます。先生の恋人の親のようです。授業を妨害された優等生の大町美智子(大西結花)はそれを不快に感じています。


土曜日、台風が接近しています。三上は登校の道中、恋人の高見理恵(工藤夕貴)を迎えにいきますが__



感想

多感で曖昧な中学生の思春期を描いた作品です。

冒頭から遠めのシーンが多いため、中盤までにいまいち登場人物が把握しきれない点が私には少し合わなかったです。

少年犯罪の凶悪化のニュースを目にするようになったのは1990年代後半からと思っているのですが、本作品には、相手を火傷させたり体を拘束させたりと、ドン引きするようなシーンが多かっため、そんなに変わっていないのかもしれないと感じました。

大人になると感じられなくなる子供のとき特有の台風接近の高揚感を感じられるのがよかったです。乱痴気ぶりには圧倒されましたが、豪雨の中でわらべさんの「もしも明日が…。」が聞こえてくるシーンはとても印象に残っています。また、それがあってからの主人公の死生観を語るシーンが合わせ技で利いています。



俺たちには
厳粛に生きるための
厳粛な死が与えられていない

だから





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