映画 ~ トイレのピエタ ~




トイレのピエタ(といれのぴえた)
配給:松竹
監督:松永大司(まつなが だいし)
脚本:松永大司
出演:野田洋次郎(のだ ようじろう)、杉咲花(すぎさき はな)
公開日:2015/6
ジャンル:ヒューマン






「トイレのピエタ」は、描くことを諦めた元美大生のフリーター、彼が罹病で余命3ヶ月を宣告されたことから始まる物語です。

監督・脚本は東京都出身、「ピュ〜ぴる」、「ハナレイ・ベイ」の松永大司さんです。

元美大生のフリーター役を東京都出身、「泣き虫しょったんの奇跡」やドラマ「100万円の女たち」に出演されている野田洋次郎さんが演じています。野田さんはロックバンド・RADWIMPSでボーカル、ギターを担当しているミュージシャンでもあり、本作品が俳優デビュー作品です。本作品で2016年に日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞されています。

病院で偶然出会うことになる奔放な女子高生役を東京都出身、「パーフェクトワールド 君といる奇跡」やドラマ「とと姉ちゃん」に出演されている杉咲花さんが演じています。

他にも、市川紗椰さん、リリー・フランキーさん、大竹しのぶ さんといった方々が出演されています。

本作品は手塚治虫さんの日記を起案としたオリジナル作品です。



あらすじ


青いつなぎ姿で清掃作業をする青年、園田(野田洋次郎)は美大卒のフリーターです。先輩社員の田中(森下能幸)からはウチの社員になっちゃえばと休憩中に誘われていますが、園田にはこれといった目標はなく、バイクに乗って家と職場の移動を繰り返す日々です。ビルの壁にはりついて窓をふく自分たちを虫みたいだと考えています。

ある日、園田が窓清掃の高所作業をしていたところ、窓を開けて中から学生時代の元カノである尾崎(市川紗椰)が顔を出してきました。

久しぶりと挨拶を交わす二人、絵を描いていると問われた園田は、描くのをやめたと答えます。尾崎は明日からここで個展を開くから、園田にも見て欲しいと伝えます。

あるとき、園田は突然意識を失い倒れてしまいます。病院に運ばれ、採血され、CT検査で身体を調べられます。後日、家族を連れて改めて病院を訪ねるように言われていた園田は、尾崎に姉として一緒に来て欲しいと頼みます。

しかし、病院の待合室で二人は喧嘩してしまいます。尾崎はその場から去っていきます。困った園田は、病院内で大声を出していた奔放な女子高生(杉咲花)が目に留まり、今から俺の妹ね、と一緒に医師(古舘寛治)のもとに同席してもらいます。

そこで園田は、胃に悪性の腫瘍ができていると医師から宣告され、余命が3ヶ月だと告げられます。

帰り道、女子高生が一緒に死んじゃおうか、と園田に提案します__



感想

モラトリアム青年の命や生きることと向き合う作品です。

主演の野田洋次郎さんがとてもいいです。元美大生、無為な生活を送る青年が適役だったのではないかと思います。特に窓を掃除している姿が好きです。

一方で、プールに金魚のシーンとタイトルに関する部分が気になりました。

狭い水槽で長く生きるかと広いプールで短命だが自由に泳ぐか、作品のテーマにリンクしている点、プールでの遊泳シーンが綺麗だった点はよかったのですが、個人的に塩素を含んだ水に金魚をたくさん投入するのは気になってしまいます。

また、説明するシーンがあったにもかかわらず、作品のタイトルであるなぜトイレなのかが私にはまったく理解できませんでした。原案がなければよかったのでしょうが、原案と方向性が異なる展開でこの提示方法だと私にはあいませんでした。









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