あなたの名前を呼べたなら(あなたのなまえをよべたな)
原題:Sir
配給:アルバトロス・フィルム
監督:ロヘナ・ゲラ(Rohena Gera)
脚本:ロヘナ・ゲラ
出演:ティロタマ・ショーム(Tillotama Shome)、ヴィヴェーク・ゴーンバル(Vivek Gomber)
公開日:2018/5(2019/8)
ジャンル:恋愛
「あなたの名前を呼べたなら」は、インドのムンバイを舞台に、裕福な家庭に使用人として雇われた女性と、アメリカ帰りの御曹司との微妙な関係を描いた作品です。
監督・脚本はインド出身のロヘナ・ゲラさんです。主人公の使用人役をインド出身のティロタマ・ショームさん、建設会社の御曹司役をインド出生でシンガポール出身のヴィヴェーク・ゴーンバルさんが演じています。
あらすじ
里帰り中だった女性のラトナ(ティロタマ・ショーム)は慌しく荷物を整理しながらまた村を離れようとしています。ラトナはムンバイの建設会社の御曹司であるアシュヴィン(ヴィヴェーク・ゴーンバル)の新婚家庭で使用人として働く予定でした。
しかし、アシュヴィンの婚約者であるサヴィナが結婚式の当日に出て行ってしまいました。サヴィナが浮気したとアシュヴィンは考えていて、それが理由で破談となったようです。
アシュヴィンはアメリカでの生活が長かったのですが、兄が病気で亡くなったため、父親の事業を継ぐため、母親の期待に応えるためにインドに戻って結婚する予定でした。体面を重んじる風潮が残る母国にアシュヴィンは少し居心地の悪さを感じています。
また、ラトナは農村にいたときに結婚しています。しかし、相手はすでに亡くなっていて、未亡人として村にもいずらくなり、都会で使用人として働くことを選択しました。
ラトナには服を仕立てる職業に就きたいという夢があります。妹の学費を捻出するために今ある仕事に真摯に取り組んでいます。
広い高級マンションでひとり暮らしになってしまったアシュヴィンと使用人のラトナ、二人はお互いの意思を尊重しながら共に過ごす時間を重ねていきます__
感想
いわゆる貴族と使用人の身分違いの恋ということで、中世の貴族社会で見られるような恋愛映画です。お互いを想う熱い気持ちと、自身がおかれた境遇を冷静に受け止める気持ちの狭間で揺れ動きます。
本作品の特徴としては中世といった過去の出来事ではなく、現代を舞台にしている点です。インドではまだこうしたカースト意識が古い慣習が根強いことが示唆されています。
シンデレラ・ストーリーとしては決して珍しいものではありません。しかし、インドを舞台に都会と田舎、主人と使用人、親と兄弟、責務と夢といった様々な対比をうまくまとめている作品だと思います。
また、教育と称して安い労働力をこき使うのはどこの国も一緒なのかなとも感じました。
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