映画 ~ 恋人たち ~




恋人たち(こいびとたち)
配給:松竹ブロードキャスティング
監督:橋口亮輔(はしぐち りょうすけ)
脚本:橋口亮輔
出演:篠原篤(しのはら あつし)、成嶋瞳子(なるしま とうこ)
公開日:2015/11
ジャンル:ヒューマン






「恋人たち」は、妻を通り魔に殺害され日々絶望して過ごす男性や、夫と姑のために日々を無為に過ごす女性といった男女の物語を描いた作品です。

監督・脚本は長崎県出身、「二十才の微熱」、「ハッシュ!」の橋口亮輔さんです。

妻を通り魔に殺害され、喪失感を抱きながら生活を送る男性役を福岡県出身、「誘拐ラプソディー」や「横道世之介」にも出演されている篠原篤さんが演じています。篠原さんは本作品で、2016年に日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞されています。

そりの合わない夫と姑と日々を無為に過ごす女性役を山口県出身の成嶋瞳子さんが演じています。本作品で高崎映画祭の優秀新進俳優賞を受賞しています。

他にも、池田良さん、リリー・フランキーさん、山中聡さんといった方々が出演されています。



あらすじ


篠塚アツシ(篠原篤)は二人で一生懸命に婚姻届を書いていた夜のことを話していました。近くにあるPCのモニタには供述書が映し出されています。3年前、アツシは通り魔に最愛の妻の命を奪われました。

喪失感を抱えたまま、アツシは橋梁検査の仕事に就いています。職場の先輩の黒田(黒田大輔)が気にかけてくれていますが、生きる気力を失ったアツシは健康保険の金を工面することもできない状態にあり、給与の前借が必要な状態です。

通り魔を許さない、その想いからアツシは加害者に損害賠償を求める相談を弁護士にしていました。しかし、朝日法律事務所の弁護士である四ノ宮(池田良)はアツシの期待には応えてくれません__



感想

数人の登場人物の生き様をオムニバス形式で描いた作品です。どの視点でも悲痛でいたたまれない気持ちにさせられます。

突然不幸に陥ったり、自身の選んだ選択がいつの間にか望まない形になっていたり、マイノリティと自分が異なっていることに気づいたり、程度の差こそあれ、生きていく限り人が直面する壁をリアルに描いています。

ご都合主義だとか、ハッピーエンドがよかっただとか、そんな凡庸なシナリオへの感想など抱くことができない程、人間の描き方に凄みを感じてしまいます。

主役の演者はもちろん、職場の先輩の黒田大輔さんや、「運命じゃない人」でも印象的だった山中聡さんといった俳優陣もとても印象に残ります。









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