青春デンデケデケデケ(せいしゅんでんでけでけでけ)
配給:東映
監督:大林宣彦(おおばやし のぶひこ)
脚本:石森史郎(いしもり ふみお)
出演:林泰文(はやし やすふみ)、大森嘉之(おおもり よしゆき)
公開日:1992/10
ジャンル:青春、音楽
「青春デンデケデケデケ」は香川県に住む高校生がロックミュージックに憧れ、ロックバンドを結成しようと青春を謳歌する作品です。
監督は広島県出身で、「HOUSE」や「時をかける少女」の大林宣彦さんです。
脚本は北海道出身で、「約束」や「あの、夏の日」の石森史郎さんです。
主人公の男子高校生役を、東京都出身で「漂流教室」や「容疑者Xの献身」等、数多くのドラマや映画に出演されている林泰文さんが演じています。
主人公のよき友人で寺の息子の男子生徒役を、京都府出身で「瀬戸内少年野球団」や「釣りバカ日誌スペシャル」等に出演されている大森嘉之さんが演じています。
他にも、浅野忠信さん、岸部一徳さん、安田伸さんといった方が出演されています。
本作品の音楽を久石譲さんが担当しており、第16回日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞しています。
本作品は芦原すなお さんの同名小説が原作です。
あらすじ
20年以上前のお話、エレクトリックサウンドの元祖であり本家であるベンチャーズの演奏する「パイプライン」が日本中を駆け巡りました。デンデケデケデケは永遠の青春であり、伝説のサウンドでした。1965年の3月28日の昼下がり、高校進学を目前に控えた少年、藤原竹良(ふじわら たけよし/林泰文)、愛称チックは四国香川県の観音寺の田舎で兄の古いバイオリンでクラシックを練習していました。
チックには離れて暮らす兄と、工業高校で生物の教師をする父、シャンシャンテバヤクリュウという流派の家元としてお茶の先生をする母がいます。なでしこという長女もいたのですが、幼いころに肺炎で亡くなっています。
チックが部屋でうとうとしていたところ、急に流れてきた「デンデケデケデケ」のイントロに電気的啓示を受け、彼はロックミュージックに憧れを抱き、同級生の楽器店を眺めるようになります。
チックには仲のよい友人がいます。友人の名は合田富士男(ごうだ ふじお/大森嘉之)、彼は寺の息子であり、大人にも顔見知りが多く、社交的で大人びています。将棋部に所属しており、チックにエロチックマガジンというエロ本を提供したりします。
ある日、チックが高校の軽音楽部を訪ねたところ、一人の同級生と出会います。彼の名は白井清一(しらい せいいち/浅野忠信)、ロッキングバンド「ロッキング・ホースメン」結成に至る歴史的な一日となります__
感想
昭和のレトロ感と青春の哀愁、田舎の郷愁が味わえる良作です。
作品のベースに軽快なロックのメロディと方言による小気味よい会話があるため、全体的にポジティブな印象とテンポのよさが感じられます。それが土台になっていることで、恋愛を経験したり、大人や社会と向き合ったり、友情を感じたり、感傷的な場面がより一層引き立っているように思います。
無理やり非日常的な出来事を発生させて登場人物を動かす作品とは異なり、平凡な日常と少しだけ特別な出来事を組み合わせた作品ですが、そこが青春時代の些細な出来事がいかに貴重だったのか、心の琴線に触れてくれます。
ただし、物語に劇的な転換点があるわけではないため、少し中だるみを感じてしまいました。130分以上の上映時間がありますが、もう少し尺が短いほうが個人的には好みです。
大森嘉之さん演じる合田君をはじめ、バンドに関連する5人は皆が個性的で魅力的でした。邦画を観ていると、高校生は爽快感であふれ、2~10年後には倦怠感で溢れている登場人物が多くなる傾向があるように思えるため、10代の青春パワーの強さを思い知らされます。
ロックはいつでも青春のシンボルである
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