それでも生きる子供たちへ(それでもいきるこどもたちへ)
原題:All the Invisible Children
配給:MK Film Productions(ギャガ・コミュニケーションズ)
監督:メディ・カレフ(Mehdi Charef) 等 8名
脚本:メディ・カレフ 等 7名
出演:ビラ・アダマ(Bila Adama) 等
公開日:2005/9(2007/6)
ジャンル:ヒューマン
「それでも生きる子供たちへ」は、少年兵士やストリートチルドレンといった平穏と一線を画す世界で生きる子供たちを描いた短編映画です。
作品タイトルは「タンザ」、「ブルー・ジプシー」、「アメリカのイエスの子ら」、「ビルーとジョアン」、「ジョナサン」、「チロ」、「桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)」です。
監督はフランスのメディ・カレフさん、セルビアのエミール・クストリッツァさん、アメリカのスパイク・リーさん、ブラジルのカティア・ルンドさん、イギリスのジョーダン・スコットさんとリドリー・スコットさん、イタリアのステファノ・ヴィネルッソさん、中国(香港)のジョン・ウーさんです。
ステファノ・ヴィネルッソ監督が発起人となり、イタリア外務省の協力、ユニセフとWFP 国連世界食糧計画が参加も本作品に大きく寄与しています。
あらすじ
砂丘、滝、林、アフリカの大地で武器を構えて走る5人の少年たち。少年たちはゲリラ部隊です。タンザもその一員です。
川辺で休息するタンザは水筒で水を汲み、それを頭からかぶる動作を繰り返しています。靴を履いたまま川に入っているタンザの様子を見て、仲間がなぜ靴を脱がないのかと尋ねます。何のため?とタンザは返します。
5人は身長くらいまで丈が伸びている草原を移動しています。遠くの道から車が走ってきます。車には3人の男が乗っています。タンザたちは持っていた銃の安全装置を解除します。
車からのラジオが流れている以外、とても静かです。場が張り詰めています。2つの集団が対峙したとき、堰を切ったように銃撃戦が始まります。
タンザたちは相手を全員殺しました。しかし、仲間の1人が犠牲になってしまいました。最後に仲間は言っていました。今日、俺は怖かった、と。
翌日、タンザたちは移動しています。なぜ戦っているのか、その目的もわからないまま__
(『タンザ』より)
感想
総勢8名の監督が窮状のなか生き抜く子供たちを主人公にした計7編です。盗みをするストリートチルドレンや紛争で自ら銃を引く少年兵、HIVに感染した病気の少女といった子供たちが主人公であるために、全体的にとても重たく、暗い雰囲気の作品が多いです。安直に善意を売り物にした作品とは異なります。
この作品の子供たちは決して恵まれているとは思えません。しかし、様々な困難が立ちはだかろうとも生き抜こうとする力に強さを感じます。自身の普段の生活のストレスなど些細なものでしかないということを実感します。
様々な国、境遇の子供たちが登場しますが、共通して感じたことがあります。それは孤独だと生きていけないということです。2人なら乗り越えられる、同じ境遇の仲間と一緒なら耐えられる、さらには例え悪い付き合いだとしても、孤独なら生きていけるかわからない、どの作品でも感じられる事柄でした。
個人的には「桑桑と小猫」が特に好きでした。恵まれていなくても笑顔で過ごせる、恵まれていても笑顔になれない、何が幸福で何が大切か、一方的な価値観に傾倒しかねない中で様々な視野を取り入れて描かれている点が印象深かったです。
本で読んだ
“友情は幸せを増幅させ__”
“悪を半減させる”と
覚えている人は少ないが
誰でも昔は子供だった
「星の王子さま」
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