映画 ~ ヒトラーに屈しなかった国王 ~




ヒトラーに屈しなかった国王(ひとらーにくっしなかったこくおう)
原題:Kongens nei
英題:The King’s Choice
配給:Nordisk Filmdistribusjon(アットエンタテインメント)
監督:エリック・ポッペ(Erik Poppe)
脚本:エリック・ポッペ、ハラール・ローセンローヴ=エーグ(HaraldRosenløwEeg)、ヤン・トリグヴェ・レイネランド(Jan Trygve Røyneland)
出演:イェスパー・クリステンセン(Jesper Christensen)
公開日: 2016/9(2017/2)
ジャンル:戦争、ヒューマン




「ヒトラーに屈しなかった国王」は、第二次世界大戦下でナチス・ドイツに降伏を迫られたノルウェーの国王の歴史的な選択に焦点をあてた戦争映画です。ノルウェーの国王、ホーコン7世の史実をベースに作られた作品です。

監督と脚本を担当したのはノルウェー出身のエリック・ポッペさんです。「Hawaii,Oslo」といった映画監督としてだけでなく、CMやミュージックビデオの監督もてがけ、カンヌのライオン賞やフランスのEPICA賞を受賞しています。

脚本は監督のエリック・ポッペさんと、ハラール・ローセンローヴ=エーグさん、ヤン・トリグヴェ・レイネランドさんの共同脚本です。

主人公のノルウェー国王役を、デンマーク出身で、「007 カジノ・ロワイヤル」、「007 慰めの報酬」「007 スペクター」のミスター・ホワイト役等で著名なイェスパー・クリステンセンさんが演じています。

本作品はノルウェー最高の映画賞であるアマンダ賞で、作品賞・助演男優賞含む8部門を受賞しています。



あらすじ


1905年6月、ノルウェーがスウェーデンから独立し、国民投票で立憲君主制が批准され、デンマークのカール王子が国王として迎えられました。カール王(ホーコン7世/イェスパー・クリステンセン)には、マウド王妃や息子のオラフ王子(アンドレス・バースモ・クリスティアンセン)がいます。ただし、ストーティング(ノルウェーの立法府)の存在があるため、国王の役割は形式的です。


1940年4月8日、空からは大量の雪が降り、地上は一面が雪景色のなかで、ホーコン7世が傘をさして歩いています。彼は孫のハーラルたちのために、かくれんぼの鬼役を買ってでています。

そこに、オラフ王太子がやってきて、ドイツ軍の侵攻に関しての相談を受けます。ノルウェー沖には、すでにドイツ隻が3隻近づいていました。沖合いでは、軍のエリクソン大佐(エリック・ヒヴュ)が奇襲に対する準備を進めており、発砲許可を得られると同時に迎撃しようとします。


一方、オスロのドイツ公使館ではブロイアー公使(カール・マルコヴィクス)がラジオでニュースに耳を傾けています。イギリスとフランスがノルウェー海域に機雷を設置したというニュースです。ドイツの鉄鉱石の輸送を封鎖することが目的です。

彼の妻であるアンネリーゼ(カタリーナ・シュットラー)が不安そうにしています。彼は彼女を安心させます。そのとき、使者が来訪します。その使者は公使に、時が来たと、占領の交渉をするように命令します。


4月9日4時20分、コート外務大臣のもとをブロイアー公使が訪ねます。イギリスの侵略からノルウェーを守るという理由をつけて、降伏するように要請してきます。ノルウェー政府はそれを拒否します。ホーコン7世は、政府閣僚とともに、オスロを離れることとなります__



感想


第二次世界大戦中で立憲君主制を敷くノルウェーの決断を描いた作品です。史実をベースに描かれています。

世界史に疎い人間にとって、第二次世界大戦下での他国の情勢、立場を映画を通して知ることができるのはいい点だと思います。本作品中で描かれているのはドイツの侵攻からの数日間です。英題のタイトルに決断とありますが、その決断後の顛末は自身で調べる必要があり、それもまた興味深い内容となっています。

邦題こそ「国王」と挙げられていますが、作中では勇敢な王太子や、ドイツ公吏、若きノルウェー兵士といった各々の思惑・矜持が描かれていて楽しめます。

立憲君主制、民主主義を問うという点で国王の意思・行動には興奮しました。一方で、個人の先入観の問題でしかないのですが、ノルウェーの作品として国王を悪く描けないという側面もあるのかと、どこか綺麗過ぎるという印象も抱いてしまいました。



王室の一員として 債務を果たすべきと言ったな?

これは王の務めだ




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