21世紀の女の子(にじゅういっせいきのおんなのこ)
配給:ABCライツビジネス
監督:山戸結希(やまと ゆうき)、他14名
出演:石橋静河(いしばし しずか)、瀧内公美(たきうち くみ)
公開日:2019/2
ジャンル:ヒューマン
「21世紀の女の子」は、山戸結希さんプロデュース、総勢15名の女性監督による、21世紀を生きる女性に焦点をあてた短編作品を集めたオムニバス映画です。
「ミューズ」、「Mirror」、「out of fashion」、「回転てん子とどりーむ母ちゃん」、「恋愛乾燥剤」、「projection」、「I wanna be your cat」、「珊瑚樹」、「愛はどこにも消えない」、「君のシーツ」、「セフレとセックスレス」、「reborn」、「粘膜」、「離ればなれの花々へ」、そして、エンドロールアニメーションの計15編から成るオムニバス作品です。
監督はそれぞれ、安川有果さん、竹内里紗さん、東佳苗さん、山中瑶子さん、枝優花さん、金子由里奈さん、首藤凜さん、夏都愛未さん、松本花奈さん、井樫彩さん、ふくだももこ さん、坂本ユカリさん、加藤綾佳さん、山戸結希さん、玉川桜さんです。
石橋静河さん、瀧内公美さん、朝倉あき さん、山田杏奈さん、唐田えりか さんをはじめとして、多数の方が出演されています。
あらすじ
ソノコ(石橋静河)は街の路上でとある女性と出会いました。その女性の名前はミツコ(中村ゆり)で、彼女は“携帯、貸してもらってもいいですか”と道行く人に声をかけていました。
ソノコはニコンのカメラを持っていて、自己流で写真を撮っています。いつか海外で勉強したいと思っています。ミツコは元モデルであり、現在は小説家の妻になっています。二人は頻繁に会うようになります。そばにずっといたいと思ったからです。ソノコはミツコをモデルにシャッターをきります。
ミツコの夫は記者とのインタビューのときに好き勝手に喋ります。ミツコは小説家のミューズと記者から呼ばれていて、週刊誌では、恐妻家であり、酒豪で暴れると書かれています。
ある日のこと、二人は部屋で寝そべっています。出会ったときに私のことを馬鹿だと思ったでしょ、だから撮ろうと思ったのかなと、ミツコはソノコに問いかけます。美人で優しくて繊細で頭がよさそうに見えたからだとソノコは答えます。ミツコは涙を流し、二人は抱きしめあいます。
夫の小説に登場する女性は若いうちに自殺してしまうが、そういうのは幻想だと思わないかと、ミツコはソノコに問いかけます。私、近いうちに行方不明になる気がする、とミツコは伝えます。
そして、ミツコは事故にあいます__
(「ミューズ」)
感想
8分程度の作品ばかりのため、とても観やすい作品です。注目の女優さんもたくさん出演されています。
尺が短く登場人物の背景も物語の起承転結もを深堀りする余裕がないため、感覚的に合うか合わないかで印象が異なると思います。
さらに、尺が短いことに加えて、今回のプロジェクトの共通テーマとして「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること」があるため、一層、個人の感性が作品と合うかが重要となっています。
“揺らぐ”ためには前提となる枠組みが必要です。そして、その枠が認識できないほど、何の印象も残らない作品になっているのではないかと思います。型があって初めて、型破りの素晴らしさが成り立ちます。また、枠外を表現していても、それが形無しであった場合はつまらないものになります。
個人的には「回転てん子とどりーむ母ちゃん」と「離ればなれの花々へ」が印象に残ってます。ただし、「離ればなれの花々へ」の場合は揺らぐどころか逆に、確固たる矜持を感じる印象を受けました。
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