映画 ~ 嘘を愛する女 ~




嘘を愛する女(うそをあいするおんな)
配給:東宝
監督:中江和仁(なかえ かずひと)
脚本:中江和仁、近藤希実(こんどう のぞみ)
出演:長澤まさみ(ながさわ まさみ)、高橋一生(たかはし いっせい)
公開日:2018/1
ジャンル:ヒューマン、恋愛





「嘘を愛する女」は身元不明の同棲相手の謎に迫ってくキャリアウーマンを描いたヒューマンドラマです。母親に紹介する予定だった彼氏が、突然、病気で意識不明となってしまいます。そして、警察から、所持していた免許証は偽造したものであるとの連絡を受けます。

監督は滋賀県出身で、サントリーをはじめとする大手企業のCM作品を数多く手がけるCMディレクターでもある中江和仁さんです。

脚本は中江和仁さんと近藤希実さんの共同脚本です。

主役のキャリアウーマン役を、静岡県出身で「世界の中心で、愛をさけぶ」や「そのときは彼によろしく」等、数多くのドラマや映画に出演されている長澤まさみさんが演じています。

その恋人役を、東京都出身でアニメ映画「耳をすませば」の声優や、テレビドラマ「カルテット」等、こちらも数多くの作品に出演されている高橋一生さんが演じています。

他にも、吉田鋼太郎さんやDAIGOさん、川栄李奈さんといった方が出演されています。

本作品は、岡部えつ さん著作で小説版も出版されています(原作というわけではありません)。


あらすじ


2011年3月11日、東北地方で大きな震災が発生したとアナウンスが流れている駅のホーム、避難する人の群れ、その群れの中で、一人の女性(川原由加利/かわはら ゆかり/長澤まさみ)が気分を悪くし、その場で倒れこんでしまいます。

そこに一人の男性(小出桔平/こいで きっぺい/高橋一生)が、“大丈夫ですか”と声をかけてきます。桔平は、由加利に楽な姿勢をとり、呼吸を整えるよう介抱します。それが二人の最初の出会いでした。


真夜中のタクシー、車内で寝ている由加利、家に帰ると、洗いものをしていた桔平がおかえりと迎えます。二人は同棲しています。

桔平は由加利から「きっちゃん」と呼ばれています。リビングでまったしている時間、桔平はスマホで超合金の玩具を扱っているショッピングサイトを閲覧しています。桔平は昔持っていたマジンガーZの玩具を探しているようです。

朝、チキンとトマトを煮込んだやつを作ってと言って由加利は出かけていきます。桔平は研究医であり、バイト並みのお金しか稼いでいないため、家事全般を担当しているようです。


由加利は仕事中、とあるインタビューを受けています。由加利は昨年、ウーマンオブザイヤーを受賞し、2年連続受賞の期待もかかるほどのキャリアウーマンです。

仕事中、由加利に母親から電話がかかってきます。表参道でパンケーキを食べたいと、そして、桔平に会いたいという内容でした。由加利は20時に桔平と約束を交わします。

仕事の打ち合わせ中、同僚と会話する由加利、同僚は最近合コンで知り合った男性の素性調査をすると外れだったと言っています。詳しく聞くと、同僚のおじさんが探偵で調査してもらったということです。

約束の時間の前の19時41分、桔平は夜道を歩いています。

由加利はすでに母と一緒に桔平を待っています。しかし、桔平は一向に現れません。

あきらめて帰宅した由加利、しかし彼女が帰宅しても桔平はいません。布団に入っても眠れない由加利、リビングに戻り、タバコを吸おうとします。

すると、玄関からチャイムが聞こえます。突然の来客は警察官でした。病院に一緒に来て欲しいと言われて由加利が向かった先には、ベッドに仰向けになって、頭に包帯をまいた桔平がいました。

4時間程前、自宅近くの公園で倒れているのを発見され、くも膜下出血で緊急搬送されたということです。

病室にいた由加利に、一緒に来た警察官が声をかけます。すると、そこで衝撃の事実を知らされます。桔平が携帯していた免許証は偽造したものであり、住民票に小出桔平という人間は存在しないと言われます。



由加利は医者から、命はとりとめたが2週間ほどが勝負だと宣告されます。手術の同意書を渡されましたが、患者氏名の欄になんと記載すればよいのか、由加利は迷います。

自宅に戻った由加利は、部屋中をあさって桔平の手がかりを探しますが何も見つかりません。桔平が心臓外科として医研究室で働いていると聞いていた由加利は、彼の職場へと確認に向かいますが、受付でそんな人は働いていないと告げられてしまいます。

通帳もカードもない、親類も友達もいない桔平、警察官からは結婚する前に発見できてラッキーだったじゃないですかと慰められますが、由加利は__



感想


ちょっとしたミステリーから始まる、喪失と修復を描いた恋愛作品です。

日々の生活を慌しく過ごした結果、身勝手になり、大切なものを見失ってしまう喪失感を幾度かに重ねて描いています。そして、物事を見つめなおし、苦しみながらも前を向こう、生きていこうともがく様子にスポットを当てています。その点が、ハッピーエンドかどうかの結末関係なく、個人的にはとても気に入っています。

ただ、謎を追う過程が無駄に長いと感じてしまいました。その尺を高橋一生さんが演じる桔平のシーンを増やしたりして桔平の人物像を掘り下げたほうが個人的には好きです。灯台の宝物だったり、小説だったり、突拍子がないというか、消化不良な感じが残ります。

あと吉田鋼太郎さん、DAIGOさん、川栄李奈さんと脇を固めるキャラクターがいずれも印象に残る人物だったのが良かったです。

わたし あの人の何探してたんだろ



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