公演:TRUMP(トランプ)
演出:伊藤えん魔
企画:ハンマーヘッドシャーク×LUCKUP
公演期間:2019年6月5日(水) ~2019年6月16日(日)
公演会場:シアターKASSAI
ハンマーヘッドシャークさん×LUCKUPさん製作の舞台「TRUMP」を観劇してきました。
※若干のネタバレ有、個人的感想強め、記憶があやふな部分がある点をご了承願います。
概要
桜良田さき さんが主宰の「(劇)ハンマーヘッドシャーク」さんと、舞台公演やイベントの企画・製作等を事業する「LUCKUP」さんが企画・製作する公演です。
「TRUMP」は末満健一さんの戯曲であり、2009年に大阪の小劇場で初演されてから数回にわたり上演されている人気作品です。TRUMPシリーズの10周年を記念して、上映権が公開されたことを契機に上演されています(詳細 ⇒(1)末満健一さんTwitterのツイート、⇒(2)ブログ記事)。
本公演は、伊藤えん魔さん演出、俳優を男性チームの「♠」、女性チームの「♡」、混合チームの「K」と「Q」にわけて、また新たな「TRUMP」として上演されています。
以下、LUCKUPさん公式ホームページからの引用です。
あらすじ
吸血種と人間の二つの種族が不可侵条約によって共存する世界。
不死を失った吸血種は、人間とほとんど変わらない生活を送る。
吸血種には人間でいう思春期を更に深刻化させた、繭期という成長過程が存在する。
主人公ソフィ=アンダーソンは、吸血種と人間の混血「ダンピール」である。
繭期の吸血種を教育する施設「クラン」に入ったソフィは、そこでウル=デリコという吸血種と出会う。
短命の運命を背負うダンピールであるソフィと接するうちに、
ウルは永遠の命を持つという真なる吸血種、
「TRUMP」の秘密を追い求めるようになる。
そんな中、彼らはやがて 100 年前の遺恨に囚われてゆく・・・
出演者(CAST)
布施勇弥(♠,Q) 七海とろろ(♡,K)
新井裕士(♠,K) 小澤瑞季(♡,Q)
斎藤貴裕(♠,K) 滑川恭子(♡,Q)
織田俊輝(♠,Q) 柴田茉莉(♡,K)
岡部直弥(♠,K) 井上麗夢(♡,Q)
ZiZi(♠,Q) 荒木凪瑳(♡,K)
清野賢(♠,K) 橋本真衣乃(♡,Q)
港谷順(♠,Q) 安澄かえで(♡,K)
北原学(♠,K) いわもとりな(♡,Q)
大石祥生(♠,Q) 結城亜実(♡,K)
上地慶(♠,K) 本倉さつき(♡,Q)
鎌田秀勝(♠,Q) 新田えみ(♡,K)
塚本拓弥(♠,K) 福田らん。(♡,Q)
ーアンサンブルー
境秀人(♠,K) 福嶋愛美(♡,K)
西垣和哉(♠,Q) 堀江茜音(♡,Q)
ストーリー等の補足、感想
・女性チーム「♡」の千秋楽を観劇しました。
・パンフレットで謎の転校生「臥萬里(がばんり)」役が前本裕美さんとなっていますが、怪我によりキャスト変更がされています。クランの生徒ジョルジュ役の予定だった橋本真衣乃さんが、臥萬里を演じ、いわもとりな さんが、ジョルジュを演じています。
・盛況ということで当初予定より増席していたようです。結果、狭っ、近っ、という状態でした。
・最前列客席の隣にスイング式の照明機材が置いてありました。それが使用される場面が数回あるのですが、周辺席の人はさすがに眩しいと思います。
・物語は疫病で廃れた街の廃墟となっている城からはじまります。ソフィが昔話を語ります。これは村上春樹さんの「ノルウェイの森」や貴志祐介さんの「新世界より」に代表されるような回想形式となり、亡くなっていても不思議ではない主人公が生きていることを主張しています。
・吸血鬼を題材とした作品で、中世ファンタジーを連想させる衣装や、血に餓えるテーマを活かした欲望や葛藤、社会風習が描かれています。
・一方で、クランという閉鎖的な学園を中心の場所としているため、主人公ソフィを中心とした視点以外にも、様々な登場人物の価値観、経験を描く青春群像劇な面もあります。
・混血という理由でカースト制度の最低位置にいる主人公のソフィ、そんなソフィの唯一の味方であり、優秀な家系のもとに育つウル・デリコ、ウルの兄で孤高で優秀な存在として一目置かれているラファエロ・デリコ、そのラファエロを一方的にライバル視し、目的のためであれば手段を選ばないアンジェリコ、自由奔放なアレン、そんなアレンに振り回されるティーチャー・クラウスといった数多くの印象的なキャラクターがいます。
・一部のキャラクターは演者が兼務しています。私はそれで序盤に混乱する場面もありました。
・リボンや左胸の胸章の色といった、衣装の細かい差異も見ていて楽しめます(胸章のあるなしの差異の理由が私にはわかりませんでしたが)。
・「血盟議会?」や「ヴラド機関?」といった組織名が登場しますが、詳細は失念しました……
・「TRUMP」とは「“Tru”e of Va“mp”」、真の吸血鬼の頭文字と語尾を合わせた言葉で、永遠の命を持つ吸血鬼(※この世界の吸血鬼の平均寿命は人間と同じということ)を指します。
・TRUMPは不死、ダンビールは短命ということでしたが、普通の吸血鬼の平均寿命については不明確だったように思います(人間と同じといっても、中世ヨーロッパを想定するのであれば、現在ほど高くないでしょう)。
・作品の冒頭で、「本当の狂人は自分が狂っていることに、これっぽちも気づいていない」と不穏な言葉がありましたが、期待通りにいい意味で狂っていたと思います。
・繭期ソフィの、千年前に血の戦争、百年前にヴァンプが自ら命を絶つ原因不明の出来事、が発生しています。
・勝手気ままに可愛い、猫のように自由奔放なアレンが特に魅力的でした。ソックスの丈が左右で違ったり、星に手を伸ばす際につま先立ちになったり、細かい動作や格好も印象的でした。
・そんなアレンと仲良くなる人間、ルルミナ、クレジットでは表記されませんが、印象的なキャラクターの一人です。
・閑話休題的シーンの転校生の学園案内の教養の時間、観劇回では、鮭の赤身、ダビデ像のハートマーク、お酢と年齢とウルの柔軟、の三本でした。
・同じく閑話休題のデリコ家の秘伝の技の時間、ラファエロを巻き込んでの分身の術、はと胸・猫背、血吸うたろうか、の3連コンボでした。
・(自然?)発火の部分がよくわかりませんでした。イニシアチブやTRUMPの影響だとか、それは自殺扱いとされるのか、といった部分です。
・序盤の違和感を終盤に収束させるストーリー、とてもとても人間味(吸血鬼ですけど)を感じるキャラクター、何回も公演されている理由がわかる気がします。
・パンフレットで謎の転校生「臥萬里(がばんり)」役が前本裕美さんとなっていますが、怪我によりキャスト変更がされています。クランの生徒ジョルジュ役の予定だった橋本真衣乃さんが、臥萬里を演じ、いわもとりな さんが、ジョルジュを演じています。
・盛況ということで当初予定より増席していたようです。結果、狭っ、近っ、という状態でした。
・最前列客席の隣にスイング式の照明機材が置いてありました。それが使用される場面が数回あるのですが、周辺席の人はさすがに眩しいと思います。
・物語は疫病で廃れた街の廃墟となっている城からはじまります。ソフィが昔話を語ります。これは村上春樹さんの「ノルウェイの森」や貴志祐介さんの「新世界より」に代表されるような回想形式となり、亡くなっていても不思議ではない主人公が生きていることを主張しています。
・吸血鬼を題材とした作品で、中世ファンタジーを連想させる衣装や、血に餓えるテーマを活かした欲望や葛藤、社会風習が描かれています。
・一方で、クランという閉鎖的な学園を中心の場所としているため、主人公ソフィを中心とした視点以外にも、様々な登場人物の価値観、経験を描く青春群像劇な面もあります。
・混血という理由でカースト制度の最低位置にいる主人公のソフィ、そんなソフィの唯一の味方であり、優秀な家系のもとに育つウル・デリコ、ウルの兄で孤高で優秀な存在として一目置かれているラファエロ・デリコ、そのラファエロを一方的にライバル視し、目的のためであれば手段を選ばないアンジェリコ、自由奔放なアレン、そんなアレンに振り回されるティーチャー・クラウスといった数多くの印象的なキャラクターがいます。
・一部のキャラクターは演者が兼務しています。私はそれで序盤に混乱する場面もありました。
・リボンや左胸の胸章の色といった、衣装の細かい差異も見ていて楽しめます(胸章のあるなしの差異の理由が私にはわかりませんでしたが)。
・「血盟議会?」や「ヴラド機関?」といった組織名が登場しますが、詳細は失念しました……
・「TRUMP」とは「“Tru”e of Va“mp”」、真の吸血鬼の頭文字と語尾を合わせた言葉で、永遠の命を持つ吸血鬼(※この世界の吸血鬼の平均寿命は人間と同じということ)を指します。
・TRUMPは不死、ダンビールは短命ということでしたが、普通の吸血鬼の平均寿命については不明確だったように思います(人間と同じといっても、中世ヨーロッパを想定するのであれば、現在ほど高くないでしょう)。
・作品の冒頭で、「本当の狂人は自分が狂っていることに、これっぽちも気づいていない」と不穏な言葉がありましたが、期待通りにいい意味で狂っていたと思います。
・繭期ソフィの、千年前に血の戦争、百年前にヴァンプが自ら命を絶つ原因不明の出来事、が発生しています。
・勝手気ままに可愛い、猫のように自由奔放なアレンが特に魅力的でした。ソックスの丈が左右で違ったり、星に手を伸ばす際につま先立ちになったり、細かい動作や格好も印象的でした。
・そんなアレンと仲良くなる人間、ルルミナ、クレジットでは表記されませんが、印象的なキャラクターの一人です。
・閑話休題的シーンの転校生の学園案内の教養の時間、観劇回では、鮭の赤身、ダビデ像のハートマーク、お酢と年齢とウルの柔軟、の三本でした。
・同じく閑話休題のデリコ家の秘伝の技の時間、ラファエロを巻き込んでの分身の術、はと胸・猫背、血吸うたろうか、の3連コンボでした。
・(自然?)発火の部分がよくわかりませんでした。イニシアチブやTRUMPの影響だとか、それは自殺扱いとされるのか、といった部分です。
・序盤の違和感を終盤に収束させるストーリー、とてもとても人間味(吸血鬼ですけど)を感じるキャラクター、何回も公演されている理由がわかる気がします。
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