公演:カーテンコール (~ この想い、届け! ~)
脚本・演出・スチール:諸江亮(もろえ りょう)
制作:劇団ドリームプリンセス
公演期間:2019年3月28日 (木) ~ 2019年3月31日 (日)
公演会場:新宿村LIVE
2月に上演された「アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院×人狼TLPT 人狼TLPT S『未来への十字架 II』」に出演されていた桜井理衣さんが出演するということで、舞台「カーテンコール」を観劇してきました。
※若干のネタバレ有、個人的感想強め、記憶があやふな部分がある点をご了承願います。
概要
「劇団ドリームプリンセス(Dream Princess)」は合同会社Dormi様が運営する演劇事業です。
本作品は今回の公演とは別に、2月28日(木)から3月3日(日)の日程で、会場を築地本願寺ブティストホールにして公演されていました。今回は会場を新宿村LIVEに移し、演出家を諸江亮さん、キャストも変更しての公演となっています。
本作品で登場する春山高校ですが、他作品である女子野球部を舞台とした「スリーアウト」と同じ高校であり、両作品間でリンクする内容もあるようです。
以下、Dream Princess公式サイト様からの引用です。
あらすじ
「この想い、届け!」
春山高校演劇部の結奈たちは、大会に向けて合宿に向かっていた。
ところが、行きのバスで事故に遭ってしまう。
気がつくと、結奈、梢、花音、栞、芽依の5人は幽霊になってしまっていた。
結奈たちは「ゆうれい部員」として、残された部員たちを支えようとする。
そしてついに大会の日を迎え……
出演者(CAST)
茂木忍(AKB48) けちょん(ゆるめるモ!) 鈴木友梨耶 吉田明加(Chu-Z) 小磯陽香
桜井理衣 成瀬ゆりあ(Dan te Lion) 和田あずさ(君の隣のラジかるん) 高橋紗妃 板野成美
芹沢あかり(純情小町☆NEO) 雛形羽衣 榎本あやせ 白宮奈々 渡辺菜友
水木梨乃 若松愛里 花梨
江田來花(スターダム★アイドルズ) 宮城智夏 桜羽るか(姫恋エデン) 山本文香 宮沢智也
小林奈央 青木美香 武藤大聖 mikerr 鈴木亮
ストーリー等の補足、感想
・ゴールデンウィーク中の合宿への道中から秋の大会を目指すまでの春山高校演劇部の物語です。・演目は「スリーアウト」、10年前に春山高校で実際にあった女子硬式野球部創部の話です。
・ゆうれい部員になった者、残された者、新しく演劇部に加わる者、様々な立場の人たちの想いが交錯して成長していく青春群像劇です。
・部活の仲間を失うという悲しみの中、部活から離れようとしたり、意識が戻らない生徒がいたりと重い展開があります。その一方で、前を向いて進もうとする姿に感銘を受けたり、死んで心が穏やかになったゆうれい部員の与太話やじゃれあいに微笑ましくなったりもできる作品です。
・演劇部を中心とした作品のため、舞台の中に舞台がある入れ子構造、いわゆる劇中劇があります。
・事故で命を落とした生徒が、ゆうれい部員として登場します。ゆうれい部員は、着替えができない、かろうじてティッシュをかすかに動かせる、といった幽霊ルールがあります。
・映画「愛が微笑む時」や「想いのこし」のように、幽霊が生きている人間に憑依できるわけではないため、支えるといってもできることは限られています。
・ゆうれい部員は台本にない台詞、アドリブが多いようです。四十九日当日の会話のぎこちなさや、小道具となるバッドの持ち運び問題、手と肘と膝を出そうとする話等々、台本にはないけど何となく覚えている場面がたくさんあります。
・特にゆうれい部員の一人、吉田明加さんが演じる「芽依」は明るいキャラクターということもあり、残された部員を見守る際の表情や視線の動きも豊かで観ていて楽しかったです。また、明るいが、決して楽観的ではない性格の側面があり凛々しいキャラクターでもあったのが印象的でした。
・和田あずささんが演じた「栞」も愛されキャラっぷりが凄かったです。劇中、他の生徒が“観てる人~”という台詞を言ったときに、一瞬だけ舞台の客席のほうに視線を向けた行動が印象に残っています。
・桜井理衣さんは、脚本を担当した(元)部長のゆうれい部員「梢」を演じており、周りから信頼される立場にあり、安心できる存在でした。
・残された部員では、けちょんさんが演じる「蘭」がメインであり、「蘭」として劇中劇をこなしながら成長していく過程、上演中に声がかすれてしまう場面を演じる必要がある大変な役どころでした。けちょんさんは映画出演経験はありますが、舞台は初めてということであり、驚きました。
・男性教師の「若林」を演じた武藤大聖さん、台詞や立ち振る舞いがとても柔和で献身性を感じ、いい教師像が自然と体現されているように感じて記憶に残っています。
・事故で意識不明となる「真央」の親友役として登場する帰宅部の生徒、Aチームは「紗理奈」という女子生徒を山本文香さんが演じますが、Bチームは「さりお」という男子生徒を鈴木亮さんが務めるということで大きな違いがあります。なお、「さりお」は台本上にもいない人物です。
・舞台挨拶、ダブルカーテンコールを含めて2時間近くの上演となっていました。個人的にはそれくらいの時間となると幕間の休憩が欲しいなと思います。
・「セイラ」が「蘭」に“何で演劇をやってるの?”と問い詰め、「蘭」が応えられないシーンがありました。その後、「萌絵」や「あやめ」、「真琴」の言葉で演劇部としての想いを代弁していたり、「蘭」は演技で魅せていたりとしていましたが、個人的には「蘭」の口から明確な答えが聞けないままであったことは、もやもやとしています。
・「結奈」と「蘭」の接点ももっと欲しいなと感じました。話の冒頭で、周りの言葉を聞きたくないからヘッドフォンをあえて着用してみたりと、「蘭」に関しては掘り下げたキャラクターだと思われるのですが、そういった部分ももっと観たかったというのが感想です(ただ、今回で2時間も上演しているため、そんな時間はとれないでしょう)。
・今回、個々のキャラクターの魅力、青春演劇としての魅力、幽霊を利用しての想いを伝えることの魅力、様々な魅力を感じる舞台でした。AチームとBチームを両方観劇したり、2月末の演出と出演者の異なる舞台を観劇していたり、また、「スリーアウト」を観劇、観賞していたら、より楽しめたこと間違いないと思いました。
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