モリーズ・ゲーム
原題:Molly's Game
配給:STXフィルムズ(キノフィルムズ)
監督:アーロン・ソーキン(Aaron Sorkin)
脚本:アーロン・ソーキン
出演:ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)、イドリス・エルバ(Idris Elba)、マイケル・セラ(Michael Cera)
公開日: 2018/1(2018/5)
ジャンル:ドラマ、伝記
「モリーズ・ゲーム」は冬季五輪のモーグル代表候補だった実在する女性をもとにした、引退後のポーカーゲーム運営者としての才覚、裏切りやマフィアの関与、違法賭博による逮捕劇といった紆余曲折の人生を描いた伝記映画です。
監督は「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンさんで、本作品が初監督作品です。
主人公に「女神の見えざる手」、「ゼロ・ダーク・サーティ」等のジェシカ・チャステインさん、主人公を弁護する役に「マンデラ 自由への長い道」やディズニー・アニメーションの「ズートピア」や「ファインディング・ドリー」に声優として出演しているイドリス・エルバさんです。
本作品は、モリー・ブルームさんの自伝「Molly's Game: From Hollywood's Elite to Wall Street's Billionaire Boys Club, My High-Stakes Adventure in the World of Underground Poker
」を原作とし、映画向けに脚色された作品です。
あらすじ
午前5時6分、ウエスト・ハリウッド、自身の著書の宣伝ポスターが隅にかけられた寝室で睡眠中のモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)、彼女のもとに突然FBIを名乗る電話がかかってきます。電話の主は今すぐ部屋を出て来いと命令します。モリーがゆっくりと部屋を出たところ、違法賭博の運営の容疑で複数の捜査官に身体を拘束されます。
モリーから弁護を依頼されたチャーリー・ジャフィー(イドリス・エルバ)は当初、この件を担当する気はないと断る予定でしたが、彼女と会話を交わすうちに、事件の全貌を知ろうと弁護を引き受ける決意をします。
もともとモリーはスキーのモーグルで五輪への出場も期待されるアスリートでした。
コロラド州のラブランド育ち、コロラド大学で政治学の学士号を取得、GPAは3.9で首席で大学を卒業しています。
そして16年間、世界一のコーチと思っている彼女の父(ラリー・ブルーム/ケビン・コスナー)のもと日曜日にはいつも過酷なトレーニングを積み、2002年、20歳のときには女子モーグル北米3位の位置にいる才色兼備の女性でした。
モリーは12歳のとき、トレーニング中の負傷で急性脊椎側弯症を発症して、7時間にも及ぶ手術を経験しています。再起は不可能と医者から言われましたが、彼女は決して諦めず、2002年のソルトレイク五輪の予選で代表を狙える位置まで登りつめました。
しかし、モリーを待っていたのは更なる悲劇でした。
悪天候で視界が悪いコースの目印として置かれる松の枝、モリーの試技中、不運にもその枝が原因でバランスを崩し、大きくコースから外れて転倒してしまいます。
スポーツ選手として絶望的な敗北となった事故の直後、モリーはロー・スクールの入学を予定していましたが、遠い地で今後の計画を見直すために、入学前に1年の休暇をとりロサンゼルスに行くことを決意しました。
モリーは子守のバイトで貯めた1,700ドルを資金に生活の準備を調え、その後、ハリウッドのクラブで週一でお酒を売るバイトを始めました。
あるとき、そのバイト先に常連客としてきていたディーン・キース(ジェレミー・ストロング)と知り合い、彼の事務所で働くことになります。
彼は投資会社の共同経営者ということで、週450ドルの給料でモリーは働いていました。
そして、ある日、「今すぐ出社しろ、ベーグルを買ってこい」とのキースからの電話、そのベーグルの電話の日にモリーに大きな転機が訪れます。
その日、キースからもちかけられたのはポーカーの話でした。
コブラという場所でポーカーを開催するため、その準備をモリーは任されます。
キースから渡された参加者のリストには有名人が並んでいます。
そして、コブラで開催された場目には映画スター、映画監督、ラッパー、ボクサー、大物実業家といった錚々たる面々、チップ1回で3,000ドルもの金額をモリーは入手します。
モリーはポーカーの初心者でしたが、持ち前の才覚と努力家の一面を発揮し、あっという間にその賭場の要所を掴んでいきます。
最初はただのアシスタントとして仕事をこなしていたモリーでしたが__
感想
トップアスリートでありながら学業も優秀、人の心を掴むのも上手という能力、しかし、より目を引くのが確固たる信念と、決して諦めない強さが印象に残る一人の女性の話です。
彼女は、FBIに逮捕され懲役刑を受ける可能性があるにもかかわらず、頑なに関係者の氏名を明かしません。
彼女は、君が秘密を守ろうとしている人たちは君を見捨てている、と弁護士が諭そうとするも決して首を縦にふりません。
それは、決して周囲の人たちを思って自分を犠牲にしているという意味ではなく、例え法のもとで自分を犠牲にしても、生きる意味で決して犠牲にできない彼女の大きさ、その強さを感じさせます。
その高潔さは観ていて感心する一方、少し綺麗事すぎる感じも受けてしまいます。これがアクション作品やアメコミヒーロー作品であればその過ぎる高潔さを気にすることもなかったのでしょうが、結局は自ら進んでグレーゾーンでリスクのあるポーカーの運営にかかわっていたり、編集者の説得はあれど書籍を出版している点で違和感があります。
つまり、原作となる自叙伝はより赤裸々であった部分が、映画向けに悪い方向に脚色されてしまっているという勝手な印象を私は持ってしまいました。
どこか消化不良な感じが残ってしまっています。
上を除けば、過去の回想シーンと現在のシーンが交互に展開されていく形でも話の内容はわかりやすく、テンポもよかった点、登場人物のやり取りのおもしろさ等、楽しめる作品です。
スケート靴を
サイズは7
だけど
お金がない
800ドルのシャネルの手袋と交換よ
10ドルのと同じくらい暖かい
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