映画 ~ 監視者たち ~



監視者たち
原題:감시자들
配給:クロックワークス
監督:チョ・ウィソク、キム・ビョンソ
原案:チョ・ウィソク
出演:チョン・ウソン、ハン・ヒョジュ、ソル・ギョング
公開日:2013/7(日本:2014/9)
ジャンル:サスペンス




「監視者たち」は、韓国警察特殊犯罪課(SCU)内の監視班に配属された新人女性刑事と、冷静で冷酷な男性を擁する武装犯罪集団との追跡劇を描いたサスペンス作品です。

監督は「MASTER マスター」等の他作品も手がけているチョ・ウィソクさんと、「22年目の記憶」や「青い塩」で撮影を担当しているキム・ビョンソさんです。

主演のヒロイン、コードネーム“子豚”役には「ビューティー・インサイド」等に出演されているハン・ヒョジュさん、“子豚”の所属する班の上司役に「名もなき野良犬の輪舞」等のソル・ギョングさん、そして、「私の頭の中の消しゴム」等に出演されているチョン・ウソンさんが主人公と敵対する犯罪組織のリーダー役を務めています。

本作品は、香港の映画「天使の眼、野獣の街」の韓国版リメイク作品となっています。


あらすじ


電車のドア付近に立ち、携帯を操作しながら誰かを見ている女(ユンジュ/子豚/ハン・ヒョジュ)、ホームには数独をしている男(ジェームズ/チョン・ウソン)、二人は同じ電車に乗っています。

ユンジュは電車の座席に座っている一人の眼鏡をかけた男(サンジュン/ソル・ギョング)を監視しています。

ユンジュが監視していると、サンジュンが車両を移動中の女性とぶつかります。その様子を監視していると、今度はユンジュがジェームズと軽くぶつかります。

監視しているサンジュンが電車を降りて街中へ移動します。ユンジュは後をつけます。


一方、ジェームズは立体駐車場にいました。

監視カメラを気にしながら車に乗り込んだジェームズ、車に何かをしかけているようです。
ジェームズはそのまま別のビルの屋上へと移動します。
警察無線を傍受していたかと思うと、続いて駐車場に仕掛けた爆弾を爆発させます。

爆発の現場へと向かう警察、その一方で、シンソン銀行ではジェームズの仲間たちの武装集団が強盗に入ります。

ジェームズは屋上から全体を俯瞰しながら指示を出すことで、仲間を警察の追跡から逃していきます。


場面変わって、雪の結晶が窓一面に飾り付けられた喫茶店、サンジュンの前にはユンジュ、地下鉄から喫茶店までのサンジュンの行動、サンジュンと接触した人物の行動を伝えるようにサンジュンからユンジュは言われます。

ユンジュは抜群の記憶力と広い視野の能力を持つ人物で、サンジュンのちょっとしたヒントもあり、見事にすべての物事を思い出して伝えます。これはユンジュの韓国警察特殊犯罪課(SCU)の監査班に加入するための試験でした。


無事に試験に合格したユンジュには“子豚”というコードネームが与えられ、ユンジュはチームメンバーと共に、組織犯罪を繰り返す武装集団を追いかけます__



感想


瞬間視と記憶力の優れた監視班という特殊な祖機内で活躍するヒロインを描いたスパイアクションに近い作品です。

万能な能力を備え暗躍する武装組織のリーダーに対して、頼りない部分もあるヒロインが仲間の協力と組織力を駆使して自身が成長していきながら敵を追い詰めていく展開、テンポよく進んでいき、すっきりと明快に起承転結を描いているストーリー、本作品はスリルもドラマも備えていて見ていて楽しかったです。

ヒロインを演じたハン・ヒョジュはやはり華がありました。
本作品の場合、決して目立ってはいけない監視役ということで、なかなか難しい部分もある人選かもしれませんが、良かったと思います。


ただ、もやもやと感じるシーンもあり、ヒロインが監視中に偶然、一般市民が軽犯罪に巻き込まれている場面に遭遇して、上司の制止命令を無視して、自らがトラブル解決のために干渉して、その結果、上司から班を外されるという出来事がありました。

このシーンはヒロインと上司の双方の主張、どちらも納得できる部分があり、どちらの行動も理解できます。

しかし、結局、どちらが正しいのかがうやむやになったまま、翌日になると何事もなかったかのようにヒロインが班に復帰していました。

もし、ヒロインが行動したように、監視役といえども目の前に看過できない事柄があれば動くことが正しいのであれば、上司が班から外す行為はまったく意味がないと思います。

一方で、監視役として徹頭徹尾与えられた任務を遂行することが正しいのであれば、物語の終盤にヒロインに訪れる大きな選択を迫られる場面でそれを活用すべきだったと思います。

上記の点でスッキリとできなかった点が少し残念でした。




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