映画 ~ きょうのできごと a day on the planet ~




きょうのできごと a day on the planet(きょうのできごと アデイオンザプラネット)
配給:コムストック
監督:行定勲(ゆきさだ いさお)
脚本:行定勲、益子昌一(ましこ しょういち)
出演:田中麗奈、妻夫木聡
公開日:2004/3
ジャンル:ヒューマン






「きょうのできごと」は友人の大学院合格と引っ越し祝いに集まった大学生のある一日に加えて、様々な人々のエピソードを織り交ぜて描いた映画です。

監督は「GO」や「ナラタージュ」等の熊本県出身の行定勲さんです。

行定監督と共同脚本を務めている益子昌一さんは栃木出身の方で、他の作品でも行定監督とタッグを組んでいる他、お笑いタレントである内村光良さんの初監督作品である「ピーナッツ」で監督とタッグを組んで脚本を担当した実績もあります。

主演は「がんばっていきまっしょい」や「ドラッグストア・ガール」、「幼な子われらに生まれ」等の田中麗奈さんと、「ジョゼと虎と魚たち」や「小さいおうち」、「怒り」等の妻夫木聡さんです。

他にも、伊藤歩さんや柏原収史さん、池脇千鶴さんに大倉孝二さんといった俳優陣が出演されています。

また、「my sweet darlin'」等で著名な矢井田瞳さんが音楽を担当されています。


本作品は柴崎友香さんの小説「きょうのできごと」が原作となっています。



あらすじ


三月十二日、午前三時、高槻のサービスエリアに駐車している1台の車、トイレから出てくる男(中沢/妻夫木聡)、自販機で買い物中、一人の女性(けいと/伊藤歩)が近づいてきて、会話を交わします。

車の後部座席には一人の女性(真紀/田中麗奈)が眠っています。

三人は京都の大学院に進学する友達(正道/柏原収史)の進学と引越し祝いに参加した帰路でした。


場面変わって、隣り合うビルの間に挟まっている一人の男(川崎/大倉孝二)、ビルの屋上には救助隊が待機していますが、救出に必要な建屋の取り壊し許可が下りていない状態です。

川崎は挟まった状態から、顔も見えない救助隊の青年にタバコをくれませんかと頼みます。
ビルとビルの隙間から釣竿のようなものを利用して火のついたタバコを救助隊の青年が降ろしていきます。
しかし、身動きがとれない、手も使えない川崎はタバコをうまく咥えることができません。懸命に顔を動かし、熱さに耐えながら、何とかそれを咥えようとしています。


さらに場面変わって、とある夜の海岸、取材班が海岸から撤収していく方向とは反対に海へと向かっていく一人の女性(希/派谷恵美)、海岸には座礁したと思われる鯨がいました。


場面が戻り、時間も少し戻り、京都の河原町今出川周辺、正道が引っ越した先の民家に到着する中沢、真紀、けいとの三人、そして、複数の友人を交えた飲み会が開始されます__



感想


「きょうのできごと」というタイトル、この作品は冒頭のシーンを“現在”とし、少し前に起こった出来事である“過去”のシーンを回想していくうちに、最終的にその後で起こる“未来”のシーンを描くという、この点だけでも大変気に入りました。

1日という括りで捕らえれば、海外ドラマの「24」のように起点から不可逆に流れていくことを想像してしまいがちであり、このような見せ方をするだけでも印象がだいぶ違ってくると思います。


大学生の日常のノリと、時折差し込まれるちょっとした事件が大きな起伏もなく、淡々と進んでいくストーリー、関西弁の他愛のない会話、些細なことで笑ったり怒ったり、自己を主張したり、相手を思いやったり、本当に何気ない日常を描いている作品です。

共感する場面があったり、ほんのりと笑える場面があったり、そして作品の中で様々な人が描かれているからこそ、自分の何気ない日常や自分にはわからない他の人の何気ない日常のことも考えられる素敵な作品になっていると思います。


俺らが知らへんうちに
色んなとこで色んなことが 起きてるんやなぁ~





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