漫画 ~ BLACK LAGOON ~




BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)
作者:広江礼威(ひろえ れい)
出版社:小学館
掲載誌:月刊サンデージェネックス
巻数:既刊11巻(2002/12 ~ 2018/11)





「BLACK LAGOON」は日本商社で普通のサラリーマンをしていた男が、仕事中のトラブルをきっかけに、イリーガルな運び屋「ラグーン商会」の一員となり、タイの架空の犯罪都市ロアナプラを舞台の中心に様々な厄介事に関わっていくクライムアクションサスペンス作品です。


作者の広江礼威さんは神奈川県出身で、漫画以外にもイラストレーターとしての活動や、2017年の春夏クールに放送されたオリジナルテレビアニメ作品「Re:CREATORS(レクリエイターズ)」の原作・キャラクター原案を務めたりもしています。


本作品は、2006年春シーズンと2006年秋シーズンにアニメ化もされています。



あらすじ


五万人規模の社員を持つ一流企業の旭日重工でサラリーマンをしている岡島緑郎(おかじま ろくろう)・通称ロックは、東南アジアでの仕事中に海賊のような運び屋「ラグーン商会」に船舶を襲撃され、身代金目的で拉致されてしまいます。

「ラグーン商会」は常にサングラスをつけたインテリ黒人の船長ダッチ、優秀なハッカーであるユダヤ系アメリカ人のベニー、そしてロックとは真逆の人生を歩んできた「二挺拳銃(トゥーハンド)」の愛称を持つ中国系アメリカ人女性のガンマンであるレヴィで構成されています。

ラグーン商会は、元ソ連軍の精鋭部隊で構成される「ホテル・モスクワ」という非合法組織のタイ支部で頭目を任されているバラライカの依頼により動いており、その目的は、旭日重工の密輸情報が格納されたディスクの奪取でした。

ラグーン商会の仕事はディスクの強奪でしたが、レヴィのお小遣い稼ぎの目的でロックはラグーン商会に拉致されました。

旭日重工側も指をくわえてその成行を見つめているわけではなく、ラグーン商会がホテル・モスクワにディスクを渡す前に、マフィアと交渉する振りをして、傭兵の専門会社にディスクの奪還を依頼します。

そうして傭兵から襲撃されることとなったラグーン商会、そこに身を預けているロックのもとに、旭日重工の上司から連絡があり、ロックはいとも簡単に、その存在ごと見捨てられてしまいます。

ベトナムの酒場での襲撃は何なく逃れていたラグーン商会でしたが、遂には物資の差もある傭兵の罠にかかって逃走劇は危機に追い込まれてしまいます。

しかし、会社から見捨てられたロックのぶっとんだ機転により、その窮地を脱出することができたラグーン商会、ホテル・モスクワの仕事が完了し、旭日重工とのビジネスも無事に完了したことからロックは元の生活に戻る選択肢も与えられましたが、岡島緑郎はすでに死んでいるんですよと上司に伝えネクタイを脱ぎ去ります。

そうしてロックはラグーン商会の一員として、娼婦・ヤク中・傭兵・殺し屋・マフィアが集う背徳の都ロアナプラの住人として、数々の厄介ごとに関わっていくこととなります__



感想


ひょんなことから“たまにゃ御法に触れることもする”運び屋の一員として、血と硝煙の臭いが蔓延る街で水夫として働くことになった主人公、各々の正義や美徳、キザな台詞回しやブラックジョークも飛び交う、クライムサスペンスとハードボイルドなアクションが魅力的な作品です。

安直にグロを出しておけばいい、残酷な展開を出していけばいい、というような作品ではなく、キャラクターの立場や環境を考えて展開していくストーリー、身勝手に見えてヤクザ映画のような任侠道、ハマる人にはたまらないと思います。

とは言っても、人の命がとても軽いため、たまに登場するグロい描写や残酷な展開がどうしても苦手な人にはお勧めできません。

特にシスター・エダが好きなのですが、魅力的な登場人物が多すぎると思います。




……誰かが、 ほんの少し優しければあの子たちは__
学校に通い、友達を作って、幸せに暮らしただろう。
でも、そうはならなかった。
ならなかったんだよ、ロック。

だから__
この話はここでお終いなんだ。






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