映画 ~ 砂上の法廷 ~




砂上の法廷(さじょうのほうてい)
原題: THE WHOLE TRUTH
配給: ライオンズゲート・プレミア(ギャガ)
監督: コートニー・ハント(Courtney Hunt)
脚本: ニコラス・カザン(Nicholas Kazan)
出演:キアヌ・リーヴス(Keanu Reeves)、レニー・ゼルウィガー(Renée Zellweger)
公開日: 2016/10(2016/3)
ジャンル:ヒューマン、ミステリ




「砂上の法廷」は弁護士が自宅で殺害され、息子が第1級謀殺の容疑者として開かれる裁判、黙秘を続ける少年、なぜ黙秘を続けるのか、事件の真相は何なのか、母の依頼により敏腕弁護士が裁判で無罪を勝ち取るべく法廷で争うヒューマンミステリ映画です。

監督は「フローズン・リバー」等、女性社会派監督として有名なコートニー・ハントさん、脚本は「悪魔を憐れむ歌」等のニコラス・カザンさんです。

主演の弁護士役に「スピード」や「マトリックス」のキアヌ・リーヴスさん、少年の母親役として「ブリジット・ジョーンズの日記」や「シカゴ」のレニー・ゼルウィガーさんが出演されています。



あらすじ


6週間後に17歳を迎える少年が父親をナイフで殺害したとされる事件、指紋がついた凶器に少年の自供が揃っています。

被告人の弁護士であるラムゼイ(キアヌ・リーヴス)は、いつもなら今回のような事件を故殺とするのですが、被害者である父親のブーンはラムゼイの弁護士としての先輩であり、また法律家を志望している被告人である少年のマイクのことも知っており、そしてマイクを大切にしている母親のロレッタ(レニー・ゼルウィガー)がマイクの刑務所行きには耐えられないということも知っている、つまり、内情をよく知っているため弁護の余地が充分あると考えていました。

しかし、1点問題がありました、それはマイクがまったく事件に関する話をしてくれないことです。


ルイジアナ州34地区地方裁判所が開廷します。
担当はロビショー判事、検察官はジム、弁護士がラムゼイであり、12人の陪審員が判決を下します。

裁判の内容は、第1級謀殺、被告人は未成年であるが罪状の重さを考慮し、大人として裁かれます。

被告人はマイク・ラシター、ニューマン高の3年生であり、学業優秀で討論チームの副将も務めています。

検察官の主張は、2月の火曜日の午後、父であるブーンをマイクが計画的に、事故でも正当防衛でもなくナイフで殺害したというものです。

ラムゼイは検察側の冒頭陳述中にも小声でマイクに話しかけますが、マイクは口を開きません。

ラムゼイは冒頭陳述すら満足にすることができないまま、裁判は検察側の証人尋問へと移行します。

最初の証人はアンジェラ・モーリー、富裕層を顧客としたチャーター航空会社の客室乗務員であり、被害者のブーンもよく利用する顧客の一人でした。

1月の最終週、ブーンの仕事とマイクの大学見学に一緒に機内を移動していた二人、マイクが1番に進学を希望していて見学予定だったリード大学を機内での突然の父親の指示により取りやめることになります。
帰路は険悪でマイクは不機嫌な様子だったとモーリーは証言します。

ブーンは同乗者として頻繁に女性を連れ込んでいたことがないかをモーリーに問い詰めるラムゼイ、違法にもかかわらず搭乗者をリストから削除していた疑いをモーリーに抱いているようです。

一方で、黙秘を続けるマイク、ラムゼイはブーンが女たらしだという悪印象を陪審員に与える作戦に出ます。被害者の名誉の問題もありますが、息子のためであればロレッタも許すはずと考えています。

ラムゼイは圧倒的な不利な状況におかれていますが、最強の嘘発見器とも称されるアソシエイトのジャネル・ブレイディを新しく助手に迎え、マイクの無実を勝ち取ろうと奮闘します。

そして、真実が少しずつ明らかになっていきます__



感想


裁判の証言から次々と物語が展開していくのですが、真実を語ると謳っている裁判での出来事にもかかわらず真偽がわからない演出があり、最後まで何が真実かを考えて観ることができました。

家族でのホームパーティの様子や裁判間の作戦会議といったシーンはあるのですが、基本的に話の進展が裁判所内で進む点でワンシチュエーションドラマに近い印象です。
そのため、捉え方によっては起伏のない淡々とした印象も受けなくはないです。ただ、その分、台詞一つ一つには注意を払って進められているように思います。結末を知った上で見返すとただの皮肉的な台詞と思っていたものが物語上意味のある台詞だったりします。

マイクの選択肢が他になかったのかがひとつのポイントであり、マイクの中の優先度がいまいちはっきりしない点は少し残念でした。
まあその分、主人公の目的がとても明快になっているように思います。

最強の嘘発見器という触れ込みは必要なかったのではないでしょうか。何が真実で何が嘘かを楽しむものだと思うのですが……

原題と邦題が異なりますが、波に攫われたらすぐ形が変わってしまう砂という言葉を使っている点でいい邦題になっていると思います。


Most people skim morality.
We all want to be good little girls and boys.
Sex just assume everyone's screwing everyone else unless proven otherwise.
And the big one,avoiding humiliation.
You'd think folks would be scared of prison or lethal injection.
Nope.
It's loss of face.





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