ビューティー・インサイド
原題:뷰티 인사이드
配給:ギャガ・プラス
監督:ペク(Baek Jong-yul)
原案:ドレイク・ドレマス(Drake Doremus)
出演:ハン・ヒョジュ、パク・ソジュン、上野樹里
公開日:2015/8(日本:2016/1)
ジャンル:恋愛、ヒューマン
「ビューティー・インサイド」は、寝て起きるたびに老若男女国籍問わず姿が変わってしまう家具職人の主人公と、インテリアショップに勤める女性との恋愛を描いたファンタジーロマンスです。
本作品の原案はインテルと東芝の合作で制作されたソーシャル・フィルム「The Beauty Inside」となっています。この作品は監督にドレイク・ドレマスさん、トファー・グレイスさんが出演しています。
SNSのFacebookで毎日外見の変わる主人公のアレックス役を募集したこともユニークな取り組みとして取り上げられていました。
こちらは2013年カンヌ国際広告祭(カンヌライオンズ広告祭)でフィルム部門、サイバー部門、ブランドコンテンツ&エンタメ部門の3部門でグランプリを受賞しています。
本作品は上記の作品を元に韓国のCM界を代表するペクさんが監督を務めた作品となっています。
主演のヒロイン、イス役には韓国を代表する女優であるハン・ヒョジュさん、毎日姿の変わる主人公、ウジン役にはパク・ソジュンさん、イ・ジヌクさん、パク・シネさん等、123人が1役を演じています。日本の女優である上野樹里さんもウジン役の一人として出演されています。
あらすじ
ベッドで眠っている二人の男女、目を覚ましたぽっちゃりした男性は「こんな姿を見られてはいけない」とこっそりと着替えてそのまま部屋を出ていきます。
鏡を見て、自分の手と顔を確認して「昨日は手のひらより顔が小さかった」と心の中でつぶやく男性、彼は毎朝目覚めるたびに違う姿に変わるという特殊な体質です。
変わる姿は、男、女、老人、子供、外国人まで、体型はもちろん、視力までも変わります。
たくさんの洋服や指輪、靴、レンズ等、どんな姿になってもいいように様々な衣服をそろえています。
彼の名前はウジン、ウジンは家具職人であり、デザインから製作までを一人でこなします。
彼の秘密は実の母親と唯一の友達であるサンベクしか知りません。サンベクは彼の良き理解者であり、他者とコミュニケーションをとることが困難な彼に代わって、家具の営業から販売を担当しています。
ウジンの特異体質は12年前から発生しています。
2004年6月12日のウジンの18歳の誕生日にそれは突如として発症して、ウジンは平凡な生活から遠ざかっていきました。
2007年11月6日、一変した特殊な生活にウジンが少しずつ慣れてきたころ、幼馴染のサンベクか訪ねてきて、ウジンが意を決して告白した秘密を、サンベクが笑い飛ばして受け入れたときから、ウジンとサンベクの固い絆は続いています。
2009年11月25日、オートクチュール、オーダーメイド、人それぞれにあった家具をコンセプトとしたブランド“アレックス”を二人で立ち上げます。
そして現在、ウジンが市場調査で訪れたとある家具店、そこで自分と同じようにお客様のスタイルに合わせた家具の提案をしている女性、ホン・イスに出会うことになります。
ウジンは姿を変えて毎日彼女に会いに行きます。
そして、あるとき、これという姿になったときに、彼女を半ば無理やり食事に誘い、アレックスの製造工場で一緒におすしを食べるというささやかなデートを楽しみます。
そこで二人は明日も会う約束をします。起きたら姿が変わってしまうウジンは徹夜します。
翌日、二人はまたデートをします。そして、またその翌日、二人はデートをし、キスをします。
そして、明日の朝食を一緒に食べる約束をします。
しかし、徹夜続きのウジンは帰りの電車でついに寝てしまいます_
感想
外見が恋愛にどれだけ影響を与えるか、美女と野獣物は他にあれど、毎日姿が変わるという点で少し特異な、おもしろい恋愛映画です。
設定が特殊なため、ファンタジーと捉えなければ理解はなかなか難しいです(身分証はどうするのか、重傷時はどうなるのか、海外に渡航するときはどうするのか等)。
しかし、扱っている内容は真っ直ぐな気持ちであるため、細かい所を気にしなくても二人の行末がどうなるかを観ているだけで楽しめました。
ただ、ストーリー的に1点だけ気になった点がありました。
イスが父親と亡くなった母親の話をしているとき、イスが「母が生きていたら何をしたいか」と父親に尋ねたときの答えが「一緒に齢をとりたい」という内容でした。
これは毎日老若男女姿が変わるウジンのことを考えるとイスにとってはとても重たい回答に思えるのですが……
設定が大雑把すぎるために、この点だけは少しモヤモヤしています。
親友のサンベクが初めてウジンの秘密を知った際に確認する事柄の一つに日本の1番好きな女優を挙げたり、ウジンとイスの食事にお寿司が出てきたり、そこそこ重要なシーンで上野樹里さんが起用されている等、日本に関連する事柄もいくつか出てきます。
ウジンとイスのベタベタなやり取りも良かったのですが、ハン・ヒョジュさんと上野樹里さんの静かなシーンがとても良かったと思います。
オープニングとエンドロールのクレジットが小さくて色の組み合わせも微妙で見え難いのが気になりました。映画館の大画面で観ていれば気にならないのでしょうが。
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