映画 ~ アトミック・ブロンド ~




アトミック・ブロンド
原題: Atomic Blonde
配給: フォーカス・フィーチャーズ(KADOKAWA)
監督: デヴィッド・リーチ(David Leitch)
脚本: カート・ジョンスタッド
出演:シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)
公開日: 2017/07(2017/10)
ジャンル:アクション、サスペンス、スパイ




「アトミック・ブロンド」はイギリスMI6の腕利きスパイである女性を主人公としたスパイアクション映画です。東西冷戦中のドイツを舞台に、敵対組織に対抗しながら二重スパイの捜索と排除、そして最高機密情報であるリストの入手を試みます。

監督のデヴィッド・リーチさんは俳優、スタントマン、助監督や共同監督の経験もあるなかで、本作品が初の単独監督作品となります。6月に公開予定のマーベル・コミックのヒーロー、デッドプールが主役の映画の続編となる「デッドプール2」の監督も務めています。

主演のシャーリーズ・セロンさんは南アフリカ共和国出身、170cm後半の高身長でモデル活動を始めた後、女優業に移行し、2003年の「モンスター」でアカデミー主演女優賞をはじめとする数々の賞を受賞する等、多くの作品に出演され、評価されている女優です。



あらすじ


冷戦中のドイツ、西側に極秘情報を渡そうとしていたイギリスの情報機関MI6の捜査官が裏切り者の手引きによって旧ソビエト連邦国家保安委員会KGBの人間に殺され、最高機密の極秘リストが紛失してしまいます。

リストの奪還と、裏切り者の二重スパイの排除を命じられたMI6の諜報員ロレーン・ブロートンは、現地のドイツに向かい同じくMI6の諜報員であるデヴィッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と共にリストの捜索を行いますが、敵対組織からの妨害や正体不明の人物からの尾行に合います。

話はドイツでの任務を終えたロレーンがMI6で事の顛末を回想しながら報告する形で進みます_



感想


映画や小説のスパイといえばクールに痕跡を残さずに職務を全うするイメージが強いのですが、本作品では比較的に泥臭く動く主人公のロレーンがどんどん傷ついて疲弊してきながらも強い女性でい続けている姿が印象的です。

完璧なスパイもいいのですが、これくらいのほうが少し現実感が増して、緊張感も保てると思います。


アクションシーンは対抗組織と階段のところでやりあうシーンが圧巻でした。決して大げさでド派手なアクションにはせず、動と静をうまく組み合わせていた結果、見入ることができた印象です。


映像や音声も少し特徴的に感じました。

映像は序盤から中盤にかけて青白い色味のシーンが多いのですが、それに対比する形で部分的な赤がより深く映ります。

この結果、ロレーンの履いていた赤いハイヒールや着用していた赤いドレスもそうですが、何より血の表現がより強く主張されているように見えます(「シン・シティ」とかもこのような表現を利用していた気がします)。

音声はスパイものにしては大衆的にも感じるポップな音楽、バイオレンスシーンでも同じようにポップな音楽が大きめに流れていて、そのアンバランス差が印象に残っています。


スパイものの宿命かもしれませんが、情報量の多さと情報整理の困難さは人を覚えるのが苦手な私のような人間には少し苦労するかもしれません。

MI6やCIA、KGBを毎回説明していてくれれば楽ではあるのですが、そういうわけにもいかず、さらにはフランスの諜報員やら名称不明な組織もあるため若干ややこしいです。

それでも肝となる部分はしっかりと理解させてくれます。奇想天外な展開、顛末だと感じる人は少ないかなと思います。


それにしてもソフィア・ブテラさんが演じているフランスの諜報員が若干お粗末な印象を受けたのですが……(逆にそのギャップに好感がもてましたが)


映像外のことでいえば、シャーリーズ・セロンさんもソフィア・ブテラさんもバレエの経験者であり、アクション映画を務める上では重要な部分なのかなと思いました。





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